部屋探しが楽しくなる！　“個性が光る”ユニーク不動産店

お部屋探しの最初の入口といえば不動産会社。素敵なお部屋との出合いを演出してくれる、心強いパートナーです。ネット上では「入りづらい」「強引に契約させられそうで怖い」「別にどこでもいい」なんてネガティブな声も散見されますが、むしろ最近の不動産会社はそうした悪しきイメージとは対極。ユーザーに少しでもお部屋探しを楽しんでもらうべく、革新的なサービスや明るい店舗づくりに励むお店が増えているようです。

そこで、独自の個性が光るユニークな“ご当地不動産”を直撃！　さまざまな工夫で来店の敷居を下げつつ、部屋選びが楽しくなるような振り切ったコンセプトを仕掛ける不動産会社を紹介します。

振り切ったコンセプトが光る。個性派不動産店舗

●女性による女性のためのお部屋さがし「MAISON ABLE」（東京都渋谷区）

女子が住みたくなる理想の部屋を、女子目線で紹介してくれる“女性専用”不動産賃貸仲介店「MAISON ABLE（メゾン・エイブル）」。東京・表参道にある店舗は外観からしてブランドショップのようなたたずまいです。店内もパリをイメージした内装と雑貨で彩られ、不動産店舗とは思えない華やかな雰囲気。そのうえ、カフェやパウダールームまで併設する徹底ぶりです。

【画像1】MAISON ABLEの外観（左）、パリをイメージした店内（右）（写真提供：MAISON ABLE）

「女性にとって不動産店舗は入りづらいというデータがあり、20代の女性にも入りやすい店舗をつくるために、MAISON ABLEをオープンいたしました。ショップは表参道という立地もあり、首都圏をはじめさまざまな地域から足を運んでいただいています」（MAISON ABLE・鴨川梨枝さん）

なお、接客にあたるのはすべて女性スタッフ。同じ女性の立場から、気になるポイントを押さえた部屋探しをサポートしてくれるのが特徴です。

「築浅、オートロックにくわえて、テレビフォンなどセキュリティを気にされる方は多いです。仕事をしている女性のお客様が多いので、駅からの距離や、スーパーやコンビニが近いかどうかといった利便性もポイントですね。また、ファッションが好きな方は大きめの収納を必要としていたり、料理好きの方は横並びの2口コンロがある部屋がいいなど、趣味によってもお部屋に求める機能は変わってきます。そうした女性ならではのニーズに応えられるお部屋をご紹介していきたいと思っています」（鴨川さん）

MAISON ABLEでは、女性タレントを招いたイベントも定期的に行っており、これまでに20代～30代前半の女性9000人以上が来店。今後もプロのメイクアップアーティストを呼んだメイクアップレッスンなどが予定されているそうです。

●高級ブティック然としたゴージャスな不動産店舗「トータルプランニング自由が丘店」（東京都目黒区）

およそ不動産会社とは思えないラグジュアリー＆ファンシーな外観が目を引く、“おしゃれすぎる不動産店舗”です。そのいでたちゆえ、ブティックか何かと勘違いして来店する客も多いそう。店内はゴージャスな螺旋階段やシャンデリア、アンティーク調のインテリアで飾られ、まるでヨーロッパのお屋敷のような趣。「不動産店ぽくない不動産店舗にしたかった」（トータルプランニング・南部貞雄さん）という思いを見事に形にしています。

【画像2】店舗外観（左）、豪華絢爛な螺旋階段（右）（画像提供：トータルプランニング自由が丘店）

「狭い、汚い、暗い、あるいはタバコ臭いといった従来の不動産店舗のイメージを覆す、女性ひとりでも入りやすいお店になっていると思います。託児スペースもありますので、小さいお子様連れのママにもお気軽に足を運んでほしいですね」（南部さん）

また、同店では紹介したお部屋の壁紙を自由に変更できるサービスも実施していて、3階にはお洒落な輸入壁紙を見比べられるショールームも。実際に貼られた壁紙を見て、触って、自分にぴったりの一枚を選ぶこともできます。

●カワイイ女子がバーチャル物件案内「コンセント不動産」（東京都杉並区）

高円寺、中野、野方エリアの物件を中心に取り扱う「コンセント不動産」。大家さんから直接依頼された物件がほとんどであるため、部屋の良し悪しはもちろん、オーナーの人柄まで把握しているそう。
特筆すべきは、インターネット上での物件の見せ方。「カワイイ女子がお部屋を紹介する」という、中学生男子が悶絶しそうなアプローチが話題を呼んでいます。

【画像3】コンセント不動産ホームページ

「サイト上では物件紹介記事とともに、各物件にマッチした女性モデルを起用しています。部屋は人が使うものだから、掲載されている写真もただ設備を写すだけでなく、人が入っていたほうがいいと思ったんです」（運営主の酒井栄太さん）

狙いは当たり、サイト経由で成約は急増。なお、問い合わせの8割が20代の女性なんだとか。同じ年ごろの女性がモデルとして登場しているため、暮らしのイメージを描きやすいのかもしれません。

また、物件情報だけでなく、地元・高円寺にまつわる耳よりなネタも教えてくれるとか。

「高円寺に住みたいと思われる方は、他の街とは違う目的を持っておられる方が多いように感じます。例えば、『飲み屋さんは近くにありますか？』や『友達ってできますか？』なんてお問い合わせをいただくことが多いですね。コンセント不動産はスタッフも全員高円寺に住んでいますので『あそこのマスターはお酒に詳しいですが、かなりの変態です』など、余計な情報までお答えできます」（酒井さん）

以上、従来の不動産会社のイメージを覆す3社でした。今回は部屋探しの「入口」が楽しくなる不動産店舗をピックアップしましたが、次回は部屋が決まり入居した後も長くサポートしてくれる、面倒見の良い不動産会社を紹介します。