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島田 美那子
2015年11月7日 (土)

京都に7億円超の新築マンションが登場! どんな物件?

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画像提供:三菱地所レジデンス
ジャンボ宝くじの史上最高賞金額は7億円。7億円が当たったら何を買おうか……多くの人が妄想したことがあるかもしれない、夢のような金額ですが、なんと、京都に7億円超の新築分譲マンションが販売されるということで、プレス発表会に行ってきました。

京都市内で西日本最高価格(※)、7億円超の住戸が販売へ

最高額住戸が7億円超という「ザ・パークハウス 京都鴨川御所東」(三菱地所レジデンス株式会社)が建設されるのは京都市上京区で京阪鴨東線「神宮丸太町」駅から徒歩6分、東側には鴨川が流れ、西側には京都御所や京都御苑が位置するという場所。約5000m2の敷地には、鴨川を望む東向きの別館と、南・北・西向きの本館で構成され、43.38m2~287.23m2(1LDK~3LDK)の全85戸(内10戸は事業協力者住戸)が供給される予定です。
(※)1995年以降に供給された、西日本(近畿地方以西)の新築分譲マンションにおいて(2015年8月31日現在 不動産経済研究所調べ)

現段階では価格に関しては詳細未定とのことですが、7億円超の住戸は鴨川を望む東向きの別館に位置する287.23m2の住戸。物件価格の目安としては、全体の6割程度が1億円以上で、本館の南向き80m2~120m2の住戸が7000万円台~1億9000万円台を想定しているとのことです。50m2を切るコンパクトタイプのプランも用意されており、幅広いニーズに対応するプランバリエーションとなっています。

【画像1】鴨川を望む東向きの別館は、壁式構造。大きな開口部とガラス手すりにより、大パノラマの眺望が楽しめる(画像提供:三菱地所レジデンス)

【画像1】鴨川を望む東向きの別館は、壁式構造。大きな開口部とガラス手すりにより、大パノラマの眺望が楽しめる(画像提供:三菱地所レジデンス)

【画像2】本館は重厚なラーメン構造で、南面住戸にはアルミキャストの縦格子手すりを採用し、古都の空気感を伝えるようデザインされている(画像提供:三菱地所レジデンス)

【画像2】本館は重厚なラーメン構造で、南面住戸にはアルミキャストの縦格子手すりを採用し、古都の空気感を伝えるようデザインされている(画像提供:三菱地所レジデンス)

同社の首都圏の物件では過去に「ザ・パークハウス グラン 南青山」で約7.7億円、「ザ・パークハウス グラン 千鳥ヶ淵」で約5.4億円の住戸などが供給された実績があるものの、西日本で7億円超の物件は初めてとのこと。近年、近畿圏で販売された高額物件として記憶に新しいものでは、同社の物件では「ザ・タワー大阪」が約4.5億円、「グランフロント大阪オーナーズタワー」が約4.1億円、そのほかのものでは「The Kitahama」の約5.8億円など。いずれも大阪都心部のタワー物件ですが、今回はそれらを大きく上回る価格の住戸が京都市内で販売されるということになります。

7億円超という価格の最大の理由は「立地の希少性」

なぜ、西日本最高価格の住戸が大阪都心ではなく、京都で販売されるに至ったのか―――プレス発表会では7億円超という価格の理由について、「立地の希少性とそれに見合った品質の住宅であること」と説明されていましたが、同物件の立地とその「価値」について考察してみます。

まず、最高額住戸を含む高価格帯住戸が位置するのは、本館ではなく、東向きの別館です。このことからも分かるように、同物件の大きな魅力であり、「価値」とされるのは、東側に鴨川を望むというその立地。東側に面した住戸からは、京都の夏の風物詩である「五山の送り火」のひとつ、「大文字」を正面から望むことができるそうです。不動産データバンクのMRC調べによると、鴨川に面したマンションは2004年以来、11年ぶりとなるということ。ちなみに、現地は2009年まで京都財務事務所が立地していた場所だそうです。

物件の南には、「山紫水明」という言葉が広まった由来の場所である、頼山陽の書斎「山紫水明処」があるのですが、鴨川と東山が織りなす美しい景観は、多くの人を引き付けて止まない「京都らしい」風景のひとつです。

【画像3】自宅のリビングで、「五山の送り火」を静かに満喫できる立地というのは、唯一無二の「価値」といえるかも。※写真は現地3階相当より東方面を撮影した写真に送り火を合成し、CG処理をしたもの(画像提供:三菱地所レジデンス)

【画像3】自宅のリビングで、「五山の送り火」を静かに満喫できる立地というのは、唯一無二の「価値」といえるかも。※写真は現地3階相当より東方面を撮影した写真に送り火を合成し、CG処理をしたもの(画像提供:三菱地所レジデンス)

次に、京都といえば日本を代表する観光地です。同物件は京都在住者だけでなく、他府県の富裕層を購入者として想定しているそうで、6割程度はセカンドハウスとしての需要を見込んでいるとのこと。

確かに、観光庁による今年7月時点の宿泊旅行統計調査によると、京都のビジネスホテルの客室稼働率は87.2%、シティホテルの客室稼働率は86.1%と全国3位の高い水準。京都における「滞在地」の需要の高さが伺えます。

例えば、同物件近くに位置する2014年にオープンした高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン京都」の宿泊料金を調べてみたところ、年内では1室1泊7万1393円のデラックス(ダブル)・45m2の客室が最低価格。1日約7万円だと7億円で1万日、つまり27年超滞在できることになります。ただし、鴨川と東山を望む、広さ126m2のスイートルームは同じ条件で最低価格が25万6284円。つまり7億円で滞在できるのは7年程度です(※)。
(※)宿泊料金は同ホテル公式サイトにて検索した10月時点のもの。平日1泊1室1名利用の宿泊のみの料金

「ザ・パークハウス 京都鴨川御所東」の7億円超の住戸の広さは287.23m2。ランニングコスト等を度外視した比較ではあるものの、「鴨川と東山を望む287.23m2の滞在地」という観点で考えると、想定される購入者層にとっては、その価格も値ごろ感のあるものと言えるのかもしれません。

7億円超という住戸価格について、「立地」の観点のみからその価値を考察しましたが、同物件は仕様、デザイン、サービスなどについても、その立地に見合った、同社の想いを結集させた物件になるとのこと。すでにモデルルームは10月17日にオープンしており(完全予約制)、第一期販売開始は今年11月(予定)、建物完成と引き渡しは2017年(予定)です。

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