北国の古い戸建て住宅などでは、冬の朝、水道管が凍結して水がでないことがあるという。温暖な地域の住民はめったに体験しないことで、何のことやらという人もいるだろう。しかし、岩手県滝沢市の水道部のウェブサイトには恐ろしい事実が書いてある。
「凍結させてしまうと水道が使用できなくなるのはもちろんのこと、凍結が原因による漏水が発生し、修理費用や水道料金、さらにアパートなどでは他の部屋への水漏れ被害の弁償など、多額の出費が伴う事例も少なくありません」
凍結してしまう条件を再確認してみよう。仙台市水道局によると
「冬場に長期間留守にする場合や、気温が氷点下4℃以下になると水道が凍結しやすくなります。屋外、北側で日が当たらない場所、風当たりの強いところ、むき出しになっている水道管などは特に注意が必要」
とのこと。最近では性能の高い住宅が増えたり、マンション住まいの人も増えているので水道管の凍結は減っているようだが、古い戸建て住宅やアパートなどに住む人は凍結の可能性がある。ではどんな対策をすればいいのだろうか? 札幌市水道局のウェブサイトには次のように書かれている。
「水抜きをしましょう。水抜きをすることで水道管の中にたまった水が無くなり、凍結を未然に防ぐことができます」
水抜きとは水道管に残った水を排出すること。これを前の晩にしないと、水道管に残った水が凍って、翌朝水が出ず大騒ぎになるようだ。水抜きに使うハンドル式または電動式の水抜き栓が家のどこにあるか、確認しておこう。
釧路公立大学生協学生委員会のツイッターによれば…。
・最低気温が-4℃以下のときは必ず水抜き
・最高気温が氷点下のときは必ず水抜き
・長期間、留守にするときは必ず水抜き
・日中に冷え込みそうなら外出前も水抜き
・帰りが遅くなりそうなときは外出前も水抜き
と、徹底した水抜きを勧めている。そのほか、仙台市水道局によると、水道管、メーターボックス内を保温することが重要だ。
・むき出しになっている水道管は、発泡スチロール製の保温材などで保温してください。また、保温ヒーターなどを利用する方法もあります。
・メーターボックス(量水器)のフタが鉄製の場合は、発泡スチロールなどの保温材を入れましょう(フタが青い樹脂製の場合は、保温機能があるため保温材は不要です)。
それでももし、凍結してしまったら? 滝沢市水道部によれば以下の通り。
「『水』は出るものの台所や洗面所の『お湯』の方だけが出ないという場合は、一番可能性が高いのは給湯機の入口部分の凍結です。地中から立ち上がって給湯機へ入るあたりの配管を確認してみましょう。水が出ない水栓(蛇口)から順にたどって、屋外の配管やメーターボックスの周辺も調べてみましょう。その際に、敷地内で水道管や水栓金具の亀裂や破損が発見されれば水道を使うために修理することが必要となります」
もし、凍結部分が蛇口やメーター前後の部分なら、仙台市水道部が教えてくれている。
「蛇口(メーターの両側にあるパイプ部分)にタオルをあてて、その上からお湯をかけてください。メーターにお湯をかけると破損しますから絶対にかけないでください」
この方法で解決できるそうだ。ところで、日本気象協会や地域の気象情報のWebサイトでは、冬の間、毎日、水道凍結指数が発表されている。地元の状況を確認して、日々の対策に役立てたいものだ。