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冨成 マサキ
2013年4月11日 (木)

賃貸だからできるワガママ部屋探し。目黒川の桜が見える部屋に住む

写真: iStockphoto / thinkstock
写真: iStockphoto / thinkstock

今年は例年になく寒かったので、いつもの年より桜の開花は遅いと思っていたら、あっという間に開花宣言。東京では史上最速だとか。1年にほんの1週間ほどしか咲かない桜。その桜を自分の部屋からとことん堪能してみたい。

「宴会禁止」「夜桜なし」。目黒川の桜を独り占めする

たとえ自分の部屋の窓から桜が見えるといっても、そこが有名な花見スポットである場合、桜が咲いている間中、朝から晩まで宴会続きということも十分ありうる。
それではいくら桜がきれいでも、騒々しくて生活できない。かといってとなりの庭に桜の樹が一本だけというのも寂しいだろう。

そこへいくと都内屈指の花見スポットである目黒川の桜はいい。まず宴会が禁止。だから宴会の騒音に悩まされることなく桜が楽しめる。
さらに最近の有名花見スポットのように、やたらにライトアップされていないのだ。だから月の淡い光に照らされた日本古来の夜桜のよさが味わえる。

さらにいいことには、目黒川に沿って桜並木が全長3.8kmと、びっくりするほど長く続いているのだ。東急田園都市線・池尻大橋駅あたりから、東急東横線・中目黒駅をへてJR目黒駅に至るこの長大なエリアに800本をこえる桜の樹が並木をつくっている。
これだけ長大なエリアなのだから、じっくり探せばどこかに目黒川の桜の絶景を独り占めできる部屋がありそうだと思えてくる。

また交通の便を考えても、東急田園都市線、東京メトロ半蔵門線(池尻大橋)、 東急東横線、東京メトロ日比谷線(中目黒)、JR山手線、東急目黒線、東京メトロ南北線、都営三田線と8路線が絡んでくるから、通勤事情にあわせて場所を絞り込むこともできる。

うれしいことに桜がきれいに見えても賃料アップはない

こう考えていくと目黒川周辺の不動産会社には、桜のきれいに見える部屋を求めて多くの人がやってきそうなものだ。

しかし現実には、「いままで、目黒川の桜がきれいに見える部屋を、という条件で探しにこられた方は記憶にないですね」(アパマンショップ・目黒店・柴希世史店長)。
桜の見える部屋探しに、ライバルはいないと考えていいようだ。

では「桜のきれいに見える部屋を」という条件で探すことは現実には難しいのか。
「いままで例がなかっただけで、もちろんそういうリクエストがあれば目黒川沿いの物件のなかから桜の見える部屋をお探しすることはできますよ」(柴店長)

気になるのは賃料。桜がきれいに見えるから賃料が高くなることはあるのだろうか。
「桜がきれいにみえるから賃料があがるってことはないですね」(柴店長)
角部屋がいいとか、2階がいいとかとちがって「桜がきれいに見える部屋を探して!」というワガママは、うれしいことに賃料アップにはつながらないようだ。

部屋探しの条件の第1番に「桜がきれいに見えること」を挙げる人はなかなかいないかもしれないが、この目黒川沿いのエリアのように、どこに住んでも利便性の高いエリアでは、むしろこうした突拍子もない条件での部屋探しが楽しいかもしれない。今年の桜は終わってしまったが、来年の桜に期待しつつ部屋を探すというのもアリではないだろうか。

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