街・地域
池谷梢 /企画・エフェクト
池谷梢 /企画・エフェクト
2014年9月29日 (月)

日本橋で美しい花を咲かせる“はな街道”の取り組み

日本橋で美しい花を咲かせる“はな街道”の取り組みとは(写真:(c)whitetag / 123RF.COM)
写真:(c)whitetag / 123RF.COM

“はな街道”という名前を知っている人もそうでない人も、東京・日本橋を歩いていて、美しく花を咲かせる花壇に目を奪われたことがあるのではないだろうか。東京・日本橋の中央通りに面するこの花壇は、いつも季節の花々で彩られており、当然ながら清掃活動や植え替えなどが行われている。今回はこの花壇を管理している『NPO法人 はな街道』に、その活動について詳しい話を伺った。

まず、“はな街道”という美化活動を始めたきっかけは?

「2002年に江戸開府400年を記念し、1年間の社会実験としてスタートしました。2004年に国土交通省東京国道事務所などで推進し、商店会などが地域をあげて応援しています。その後2006年にNPO法人として認可され、地域の方にも興味や関心をもっていただけるようになりました」

花壇には企業名の書かれたボードが立てられているが、どういった意味なのだろうか?

「あれは花奉行(フラワーサポーター)・水奉行(フラワーボランティア)の名称です。花奉行は花壇に年3~4回花を咲かせる費用をご提供いただくサポーター、水奉行は花壇の水やりや日々の管理をしていただくサポーターのことです。花奉行・水奉行になると、東京国道事務所が設置する『管理者表示サインボード』に企業名が表示されます。ちなみに現在は、花奉行が約70者、水奉行60者のご協力と、地元町会と商店街の皆さんの協力で運営しております」

なるほど、さまざまなサポーターの協力のもと花壇の花たちは花を咲かせているようだ。次に、具体的な活動内容を聞いてみた。

「定期的な活動としては、年3~4回の花植えや、年3回約120名でクリーンウォークという参加型の清掃活動も実施しています。現在は10周年記念事業として、花壇コンテストを開始しています。10月からは1次審査を通過した作品が、2カ月間展示予定です」

花壇コンテストとはユニークな試みだ。では、今後の活動予定は?

「2020年、中央通りは東京オリンピックのマラソンコースにもなる予定と聞いております。そのときはランナーや応援の方々に、ここを走って気持ちよかった、元気づけられたといった印象をプレゼントできる企画を考えています」

日本橋・京橋に来た人が美しい街並みを見てホッとすることが、街のにぎわいにつながればいい、という思いがあるそうだ。『はな街道』は、花壇の美化活動を通して地域の人々と協賛企業の交流が生まれ、街の活性化につながるという好循環を生んでいる幸運な一例と言えるだろう。

●取材協力
はな街道
HP:http://www.hanakaido.info/
前の記事 移住を考え始めたらどうすればいいの? 移住セミナーに参加してみた
次の記事 経堂『さばのゆ』発。人と人のシャッフルで生まれる新たな価値
SUUMOで住まいを探してみよう