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連載住タコ先生が解説 お金のギモン
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住タコ
2015年5月11日 (月)

チラシにある“月々●円で家が買える”って本当?

チラシにある月々●円で家が買えるって本当?(イラスト:つぼいひろき)
イラスト:つぼいひろき
【連載】お金に弱い新米住宅編集きのっぴーの素朴なギモンを、住タコ先生が解決していく連載です。

【画像1】きのっぴー(左):新米の住宅編集者。とにかくお金のことに弱く、編集部内でローンや金利の話で盛り上がっているときは、木のごとく気配を消してその場をやりすごしている/住タコ先生(右):不動産業界に携わってウン十年。なんでも知っているが、特にお金について詳しい。いつも穏やかな物腰でさまざまなことを教えてくれる。怒りスイッチが入るとスミをぶちまける習性がある

【画像1】きのっぴー(左):新米の住宅編集者。とにかくお金のことに弱く、編集部内でローンや金利の話で盛り上がっているときは、木のごとく気配を消してその場をやりすごしている/住タコ先生(右):不動産業界に携わってウン十年。なんでも知っているが、特にお金について詳しい。いつも穏やかな物腰でさまざまなことを教えてくれる。怒りスイッチが入るとスミをぶちまける習性がある(イラスト:つぼいひろき)

きのっぴー:先生!たまに「今の家賃と同じ金額で家が買えます!」という新築住宅のチラシがポストに投函されます。あれを見ると、「今の家賃と同じ金額で家が買えるのなら欲しいなぁ…」と思ってしまうのですが、ちょっと信じられない気持ちもあります。本当に今の家賃と同じくらいで家が買えるのでしょうか?

結論は「買える」。でも…

きのっぴー:このチラシは2680万円の新築分譲の物件で、頭金ゼロ円、ボーナス払いなし、月々7万1661円とあります。月々7万円ちょっとって、正直いまの家賃と変わらないのですが、これって信じていいんですか?

【画像2】分譲戸建てのチラシの例(写真撮影:SUUMOジャーナル編集部)

【画像2】分譲戸建てのチラシの例(写真撮影:SUUMOジャーナル編集部)

住タコ先生(以下住タコ):どれどれ…下の細かい字を見ると、金利0.675%で35年返済となってるな。では、計算してみよう(ローン電卓を取り出す)。タコタコタコのタコっと。フムフム、計算は合ってる。
今は世の中的に低金利なのじゃが、このチラシの不動産会社は金融機関と組んで提携ローンを借りられるようにしているようじゃ。提携ローンは通常よりさらに0.1%ぐらい低い金利で借りられるようになっていることが多い。
よって、月々のローン返済はこの金額で間違いではない!

きのっぴー:通常よりも低い金利で借りられるとなると、ローンの審査が通常より厳しくなったりしないんですか?

住タコ:そんなことはないぞい

きのっぴー:ちなみに……これって土地代も込みですか?

住タコ:ブシャアアアアアアア!!!!!(スミをかける音)ばかもん!新築分譲住宅は土地と建物付きの物件のことじゃ!!こんなもんは基礎中の基礎じゃぞい!!!

きのっぴー:ずびばぜんでじだ…

そうはいってもリスクはないの?

きのっぴー:月々7万ちょっとで家が買えるとして、裏というか、なにかしらのリスクはないのでしょうか?

住タコ:提携ローンは物件の審査は済んでいるはずじゃから、ローンを借りられるかどうかはその人次第じゃ。安定した収入のある会社員なら、収入に占めるローン返済額の比率が基準を満たしていれば問題ない。
じゃが、自営業やフリーランスの人などは、審査が通っても金利が上がる可能性があるぞい。収入が不安定だと返済のリスクが高い、と金融機関に判断される場合があるからじゃ。
ちなみにSUUMOの金利情報を見ると優遇金利に幅があるケースが多いが、これは借りる人のリスクに応じて金利が変わることを意味しているんじゃぞい。

もしこの物件の住宅ローンを1%の金利で借りたとすると、月々の返済は7万5000円くらい。まあ、ちょびっと上がるくらいじゃな。

きのっぴー:なるほどです。同じ銀行のローンであっても、借りる人によって金利の優遇幅が変わるんですね。

住タコ:じゃが、気を付けなければいけないのは金利の動きじゃ。チラシの計算で使われているのは変動金利じゃから、借りたあともクネクネとタコの足のように金利が上下する可能性があるぞい。

きのっぴー:金利の優遇幅と別に、ローンそのものの金利が変わるということですね。

住タコ:入居時期も確認しておくんじゃ。建物が未完成だと、実際に住宅ローンを借りるときに金利が上がっていることも考えられる。新築一戸建ての場合は6カ月くらい先になる場合もあるぞい。
もしこの物件に入居するタイミングで金利が3%に上がったとすると、毎月返済額は約10万3000円にアップする計算じゃ。まあ、今のところすぐに金利が急上昇する状況ではなさそうじゃが、これから景気が回復すると金利も上がってくるじゃろう。できれば金利が3%になっても返済できるように資金計画を組むといいぞい。

チラシに書いてある月々●円以外にもお金がかかる

きのっぴー:毎月のローン以外でお金はかからないんですか?

住タコ:そうじゃそうじゃ、住宅ローン以外にかかるお金にも注意が必要じゃな。まず、買うときには仲介手数料がかかる場合があるし、住宅ローンを借りるときには保証料を数十万円払うケースも多い。物件にもよるが、住宅価格の3~8%くらいは手持ち資金から払わなければならない。3000万円の住宅なら、頭金以外に100万~200万円前後必要ということじゃ。

あとは入居後にかかるお金も要チェック。毎年払う固定資産税などは年間十数万円前後が一般的じゃ。

きのっぴー:ふむ。やっぱり“家を買う”ってお金がかかりますよね。賃貸でも初期費用かかりますもんね。
いまは分譲戸建てのチラシを見ていますが、マンションの場合はどんなところに気を付けたらいいでしょうか?

住タコ:まず未完成の新築マンションの場合、入居まで1年以上かかる場合が少なくない。金利の動きには、一戸建て以上に要注意じゃぞい。買うときに新築マンションは仲介手数料がかからないが、中古マンションは必要じゃ。入居後は管理費や修繕積立金、車があれば駐車場代も毎月かかる。もちろん固定資産税なども年間十万円前後はかかるぞい!

きのっぴー:チラシに書いてある月々の金額は間違いではないけれど、プラスで固定資産税や購入時の諸費用がかかることを頭に入れておかないとダメですね。「チラシの金額だけしかかからないんだ!」と思って買おうとするのは怖いことが分かりました。

住タコ:おっと忘れるところじゃった。チラシの返済額じゃが、月々とは別にボーナス時返済を払わなければならない前提で試算している場合がある。細かい字の「試算条件」のところをよくチェックしないと見逃しがちじゃ。

というわけで、今日はこれまで。ワシにもボーナスくれんかの?

きのっぴー:先生ありがとうございました!

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