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子供の事故と親の責任(2)

Q.

 この間、うちの4歳の子が15歳の中学生が無免許で運転するバイクにはねられて、大怪我をしました。中学生に損害賠償を請求してもお金を持っていないから意味がありません。そこで、その中学生の親に損害の賠償を請求できないものでしょうか?

A.

 中学生の親が、自分の子が無免許でバイクに乗っているのを黙認していた等、親の監督義務違反と事故の結果とに相当因果関係がある場合は請求できます。

 事故を起こした15歳の中学生は責任能力があるといえますから、その中学生は不法行為による損害賠償の義務を負います。そうすると、子供が賠償責任を負う以上、監督義務者としての親は「子供の事故と親の責任 (1)」のように民法714条1項による責任を負いません。

 もっとも、「未成年者が責任能力を有する場合であっても監督義務者の義務違反と結果との間に相当因果関係が認められるときは、監督義務者につき民法709条に基づく不法行為が成立する」旨の判例があり、このような場合は、お金を持っている親に対して損害賠償の請求が可能です。

Q.

 その事故のとき子供をみておらず、私にも事故について落ち度があったようです。この場合過失相殺されて私の請求できる額は少なくなるのでしょうか?

A.

 あなたと子供を一体とみて過失相殺され、請求できる額も少なくなります。

 損害を受けた被害者にも落ち度のある場合、過失割合により損害額が減額されることがあります(過失相殺、民法722条2項)。ただ、あなたは被害者の親であるのみで被害者ではないので、あなたの過失は、損害額の算定につき斟酌(しんしゃく)されないとも思えますね。

 しかし、判例はあなたの子のように、被害者が幼く事理弁識能力がなくても「被害者と、身分上ないし生活関係上一体をなすとみられる関係にある者」に過失ある場合に被害者自身の過失として、過失相殺を認めています。従って、あなたは被害者の親である以上、あなたの過失も被害者自身の過失として、過失相殺されることになるでしょう。

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