日本を訪れる外国人観光客が増えている昨今。英語で観光案内をするボランティアガイドを目指す人が年々増えているという。外国人観光客の希望に沿って東京近郊を無償で案内する「東京フリーガイド」で理事長を務める川本佐奈恵さんは話す。
「私が東京フリーガイドに入会した10年前は、任意団体だったこともあり、英語の能力にかかわらず挙手すれば誰でもガイドになれました。それが今は応募者が増えたため、独自の試験制度を取り入れるようになりました。その試験も先着100名の受験枠が募集と同時に埋まるほどです」
東京フリーガイドに登録するガイドの平均年齢は48才。半数以上が、子育ての一段落した40~60代の女性だ。かねてから英語で話すことに憧れている人や、海外旅行やホームステイ先でお世話になった外国人に恩返しをしたいという人が多いという。
もちろん、英語を始める人は、ガイドになることばかりが目的ではない。ビジネスなどで迫られて、という人以外にも、英語を勉強し始める人が急増している。大手英会話スクールではシニア向けのクラスが次々開設。前出の川本さんの英会話スクールでも40~60代女性の受講者が年々増えているという。
最近英会話を習い始めたという女性たちに、その動機を聞くと──。
「銀座などに買い物に行くと外国人に道を聞かれる機会が増えたんですが、説明できないのがもどかしい。道案内くらいはできるようになりたいと思ったんです」(62才・主婦)
「子供の手が離れ、夫の定年後に夫婦で海外旅行に行きたいねと話していたら、やっぱり英語を話せなきゃね、って。夫婦で個人レッスンを受けています」(51才・主婦)
「英語が話せたら、外国人の人たちとも自由に話ができて、つきあいも広がりそう」(38才・OL)
など理由はさまざまながら、それぞれに英語を話せる憧れの自分の姿を思い描いている。
※女性セブン2016年3月17日号