海は大事 南北で学ぶ 屋我地小、青森児童と中継し発表


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ベニアジサシの繁殖数や営巣数の減少などについて報告する屋我地小6年生=18日、名護市の同校

 【名護】名護市立屋我地小学校と青森県むつ市立関根小学校の児童らは18日、テレビ会議システムを使った発表会を行い、「地域の海」という共通のテーマで学習した成果を互いに披露した。屋我地小の児童は、繁殖のために飛来する野鳥ベニアジサシの営巣数や繁殖数の減少、その改善対策などを説明した。関根小の児童はホタテなど地元の海の資源などを紹介した。クイズ形式での質問もし合い、児童らは特徴の異なる互いの海について関心を示しながら、海洋環境の大切さへ理解を深めた。

 国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC、横須賀市)が国際海洋環境情報センター(GODAC、名護市)とむつ研究所(むつ市)の両拠点を通じて合同学習を実施してきた。「地元の海を学ぶ」ことを目的に置いた3年間継続した取り組み。今回は1年目の学習成果としての発表となった。
 屋我地小は、6年生が総合学習の授業の中でベニアジサシについて学んだ。やんばる野生生物保護センターの調査を基に学習し、営巣数や繁殖数の減少は(1)台風で巣や卵が駄目になった(2)繁殖する岩礁へ釣り人らが近づいたせいで、警戒したアジサシが卵を見捨てた-などが理由とした。
 アジサシ類の保全対策として、営巣している岩礁へ近づかないことを促すチラシを作成、配布したほか、学校近くの海岸を清掃したことを報告した。
 屋我地小の児童は関根小の学習発表にも一様に興味を示した。
 花田佳乃さん(12)は「サンゴの種類や魚の色などの違いが分かった」とし、長田双龍君(12)や仲宗根良啓(よしはる)君(12)は「ホタテの成長の仕方が分かり勉強になった」と話した。遠矢洋介君(12)は「これほど離れた地域のことを互いに報告することができて、楽しい授業だった」と感想を述べた。
 GODACの鷲尾幸久センター長や事務スタッフの赤嶺公子(ひろこ)さんは「屋我地小と関根小の児童が友好関係を育みながら、環境や生物の分布など、海洋についての理解を深めてほしい。海洋科学技術の理解促進や人材育成、地域貢献にもつながればうれしい」と話した。

テレビ会議システムを使い、学習成果を披露した発表会