マグロの回遊やイワシ魚群の「トルネード」など、水族館では食卓に並ぶお馴染みの魚も観賞できる。食用と展示用に価格差はあるのだろうか。動物輸入卸商の白輪剛史氏が解説する。
「イワシの場合、1万~1万2000匹入る10トンの水槽トラックで仕入れて180万~240万円ほど。1匹の値段に換算すると200円弱なので、スーパーで買う価格とそう変わらない。築地の競りでは数百万円することもあるホンマグロ(クロマグロ)は、小さい個体なら1匹8万円程度で取り引きされているようです」
通常、水族館は魚類商から魚を仕入れるが、方法は他にもある。
「『マダコを1匹欲しい』『ナマコを1匹欲しい』という際は鮮魚店から仕入れるほうが専門の卸商を通すよりも安くて簡単なことも少なくない。特殊な魚だと、水族館の職員が自ら漁に出て捕まえることもあります」(同前)
※週刊ポスト2015年6月5日号