本州のほぼ中央に位置する群馬県。最近ではネットユーザーなどから、なぜか未開の地『グンマー』などと呼ばれていますが、実際はどんなところなのでしょう。群馬の魅力をあらゆる角度から紹介している本、「群馬のおきて」の著者に伺ってみました。
本当の群馬の姿について教えてくれるのは、群馬に対する郷土愛(広い意味で!)の強さから、ついに本まで出してしまった北村ヂンさんです。いきなり失礼な質問で恐縮ですが、群馬って本当に未開の地なのでしょうか?もしかして群馬だけに移動手段は馬ですか?
「……ネット上では未開の地なんていわれている群馬県ですが、新幹線も通っているし、高速道路も充実していて、意外と栄えている県です。ただし、県民の足としての鉄道網は貧弱なので、自動車の移動が基本です。群馬県は周囲を山に囲まれた盆地状の地形なので、夏はメチャクチャ暑く(館林市の最高気温は39.2℃!)、冬は『からっ風』が吹きすさぶハードな気候なので、ちょっとした移動でも自動車を使いがち。というわけで、群馬県に住むなら自動車免許と車は必須!」
さすがに関東だけあって、未開ではなく新幹線も道路も開通しているようです。乗馬技術よりも車の運転技術が必要なのですね。
山に囲まれた群馬の名物料理は、一体どんなものがあるのでしょうか。
「昔から小麦の栽培がさかんな群馬県には、いわゆる『粉モノ』グルメが沢山あります。日本3大うどんといわれる『水沢うどん』をはじめ、幅がメチャクチャ広い『ひもかわ』(なんと幅10cm以上!)、いちごシロップを入れる『伊勢崎もんじゃ』、味噌をつけて焼いた「焼きまんじゅう」などなど。最近では『高崎パスタ』なんてものも流行っています。その特徴はとにかく大盛り!」
さすがはグンマー。説明を聞いただけでは味がまったくイメージできない名物がたくさんあるようです。いちごシロップ入りもんじゃは、やっぱり甘いのでしょうか。高崎パスタの『味』とか『材料』ではなく、『盛り』が特徴っていうのもすごい話ですね。
他県民からすると謎が多い、一筋縄ではいかない食文化を生んだ群馬の県民性とは?
「『見栄っ張りで、熱しやすく冷めやすい』のが群馬県民といわれています。そのため、電化製品の新製品、自動車のニューモデルなどなど、とにかく新しくて珍しいものを多少ムリしても買いがち。間違っても新しく買った車にケチをつけたりしないように! また、大学進学などで県外に出る率が高いものの、卒業後は群馬に戻ってくる率も高いという、愛県心の強さがあります。『群馬なんて田舎で何もないから〜』と自虐ネタを振られても『そうですよね〜』なんて乗っからないほうが無難です。自分が自虐ネタをいうのはオッケーでも、他県の人からいわれるとイヤという群馬県民は多いですよ」
……このインタビューは、怒られますかね?
「さすがに『グンマー』ネタに関しては、群馬県民も完全にシャレと認識しているので、大丈夫だと思います」
そんな心の広い県民が住む群馬県に、引越しを考えている人へのアドバイスをお願いします。
「移住される際には、群馬の名物などを紹介した『上毛かるた』に目を通しておくことをオススメします。群馬県民は子ども時代にほぼ100%これをやっているので、上毛かるたのフレーズを知っていれば、地元に早く溶け込めること間違いなし! ブランド総合研究所が毎年発表している『都道府県魅力度ランキング』で下位の常連となっている群馬県ですが、東京から新幹線で1時間という便利な場所にもかかわらず、地価はやたらと安く、2011年都道府県庁所在地の最高路線価ランキングで前橋市は堂々の全国最下位。実は住宅を購入して移住するのには、とってもオススメの場所なのです!」
東京からどこか田舎へ引越しをしたいけれど、東京から離れすぎるのもちょっと寂しいという人には、群馬は移住先としてちょうどいい距離なのかもしれません。それにしても高崎市ではなく前橋市が群馬県の県庁所在地だったとは! ネット上に存在する「グンマー」のイメージもある意味ワイルドで魅力的ですが、どうやら本当の『群馬』は、たくさんの魅力にあふれた県のようですよ。