きんぴら

和食の定番料理である「きんぴらごぼう」。みなさんは、「きんぴらごぼう」の「きんぴら」の由来について、ご存知だろうか?

この「きんぴら」、2005年4月27日の産経新聞大阪夕刊によると、実はマサカリ担いだ金太郎で有名な金太郎の、息子の名前から取ったものとのこと。


足柄山のスーパーボーイであった金太郎クンは、その怪力ぶりを源頼光に認められてスカウトされて21歳の時、都に上る。
坂田金時と改名して、「頼光の四天王」の一員として活躍。36歳のときには、丹後の国の大江山に住んでいた「酒呑童子」という鬼を退治するツアーに参加している。
現在の学説では、「酒呑童子」は鬼などではなく、大江山に住み着いていた山賊の首領だといわれている。文楽や歌舞伎に登場するのは大きな鬼の姿をしている。

金時は生涯妻を持たず、頼光が亡くなった後は生まれ故郷の足柄山に戻り、その山中で消息を絶ったと伝えられる。

ところが・・・である。フィクションの世界では金時には息子が一人いて、名前は金平(きんぴら)。
怪力の持ち主ではあるが、短気で、無邪気で、いささか軽率な愛すべき人物として描かれている。
この金平が大活躍する人形浄瑠璃を「金平浄瑠璃」と呼び、江戸時代初期に大流行した。この金平は歌舞伎の世界にも採り入れられ、初世市川團十郎の「荒事」のもとになった。

金平の名は強さの代名詞になっていて、「きんぴらごぼう」という料理も、強精作用があるところから「金平」の名前をつけられている。



参考:2005.04.27「産経新聞大阪夕刊」