【英語学習】TOEIC対策で伸ばせる5つのスキルと、伸ばしにくい3つのスキル

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キャリアアップを目指すうえで、TOEICのスコアアップは避けては通れない課題のひとつです。事実、英語を使えるというだけで社内で任されるプロジェクトの規模も変わりますし、また転職を目指しているのであれば応募できるポジションの数や給料が格段にアップします。

さらに昨今では大企業が次々と社内公用語を英語化していることから考えても、TOEICである程度のスコアを残していないと大企業から見向きもされないという時代がすぐそこまで来ていると言っていいでしょう。

一方で、TOEICで好スコアを記録してキャリアアップを成功させたにも関わらず、実際に英語が飛び交う現場で働き始めたらTOEICの勉強だけではカバーしきれないさまざまな問題に直面し、期待されていたほどのパフォーマンスを残せなかったという話も耳にします。

そこで今回は、TOEICの勉強で伸ばせるスキルと、TOEICだけでは伸ばせないスキルをご紹介します。

そもそもTOEICとは?

TOEICとは“Test of English for International Communication”の略称で、英語を母語としない者を対象とした英語によるコミュニケーション能力を検定するための試験です。

一般的に「TOEIC」というとリスニング・リーディングの能力を測定する「TOEICテスト」を指しますが、それ以外にもスピーキング・ライティングの能力を測る「TOEIC Speaking&Writingテスト(TOEIC S&W)」と、初・中級者向けの「TOEIC Bridgeテスト」の3種類があります。ただ、ここではもっともポピュラーで企業の採用条件などにもなっている「TOEICテスト」について解説します。

アメリカの非営利団体、ETSが運営していることからアメリカ発祥のテストかと思われがちですが、実はこのテストを最初に開発したのは北岡靖男氏という日本人です。TIME誌などを発行していることで有名なアメリカのTime.incで働いていた北岡氏が、「これから日本人が世界で渡り歩いていくには英語が確実に必要になってくる」という考えから、コミュニケーション能力に特化した英語能力検定試験を考案したのがはじまりです。

つまりTOEICは、北岡氏がわれわれ後世の日本人たちが世界を舞台に活躍するために残してくれたメッセージであり、国際舞台へ羽ばたくための翼でもあります。

そうした先人の想いを胸に抱きつつ、ここからはTOEICの勉強で伸ばせるスキルと、伸びにくいスキルを解説しましょう。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

TOEIC対策勉強で伸ばしやすいスキル

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リスニング力

当初、TOEICのリスニングで使われる音声はすべてアメリカ人のナレーターが担当していました。しかし、国際的に使える英語力を目指すTOEICは、2006年よりアメリカのほかにカナダ、英国、オーストラリアのネイティブたちの音声を25%ずつの割合で出題するようになりました。

英語は世界一方言の多い言語といわれており、ネイティブ同士で話していてもアメリカ人とイギリス人ではお互いに言っていることがわからないことがあります。

こうしたことから、特徴の違う4つの発音をテスト問題に採用することは、国際舞台で活躍できる人材を育成するうえで非常に重要です。また、さまざまな発音に耳を慣らしておくことにより、非ネイティブ話者の発音にもある程度対応できるだけの順応力を身につけることができます。

TOEICのリスニングテストで高得点をマークしていれば、どんな国の人とコミュニケーションを取っていても相手の言っていることがサッパリ理解できないということはなくなるでしょう。

予想能力

リスニングテストの音声はネイティブスピードで読み上げられるため、非ネイティブが一語一句聞き取るまでにはそれなりのトレーニングが必要です。ただ、たとえ一語一句を聞き取れなかったとしても、前後の文脈で聞き取れなかった部分の意味を予想するというスキルを磨くのに非常に有効です。このスキルは実際の会話中でも重宝するため、TOEICの勉強中にマスターしておきたいところです。

読解力

TOEICのリーディングテストにでてくる文章は、ネイティブたちが日常的に読むものとなんら遜色がないほど本格的なので、これをマスターしていればビジネスメールや英語の記事などはほぼ問題なく読解できるでしょう。

語彙力

TOEIC対策をする人の多くが単語帳を持ち歩いて勉強していますが、TOEICで出題される単語は英語の日常会話でも頻繁にでてくるものが多いため、ひとつひとつの単語をしっかりと覚えておくことでネイティブたちの文章でも一度も辞書をひくことなくサラリと読めるようになるでしょう。

文法理解力

リーディングテストの中に穴埋め問題がありますが、その中に決まって時制問題がでてきます。これは非ネイティブたちがもっとも犯しやすい間違いのひとつなので、英語の12時制をマスターするためにTOEICのリーディングテストを利用しない手はありません。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

TOEIC対策勉強では伸ばしにくいスキル

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会話力

TOEICではリスニング力はかなり鍛えられますが、対して自分の言いたいことを相手に伝えるスピーキング力はあまり期待ができません。もちろん語彙力や文法といったスキルは磨けるので、会話力が全く伸びないというわけではありませんが、インプットした知識をアウトプットするというスキルはまた別物と考えたほうがいいでしょう。

文化理解力

TOEICでは語彙力が伸びる一方で、各単語の持つイメージや文化的背景などを理解していないと、のちのち誤解を生む可能性もあります。たとえば“I’m sorry”を「ごめんなさい」というふうに覚えている方も多いでしょうが、実は「心が痛む」という意味も含まれており、これを理解していないと相手が“I’m sorry”と言うたびになぜ謝られているのかわからないという事態に陥ります。

フレーズのバリエーション

TOEICは語彙力に特に重きを置いた試験のため、ネイティブたちが使うフレーズやイディオム(慣用語)の意味は習得できません。実践では単語よりフレーズのほうが用途が多いので、これはTOEIC以外で独自に勉強するしかありません。

TOEICの点数を劇的に伸ばす効率的な勉強法

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それではこれからTOEICに挑む、またはスコアアップを狙いたいという方のために、TOEICの点数を劇的に伸ばす勉強法をいくつかご紹介しましょう。

目標点数を設定し、それに必要な単語数を集中的に覚える

まず自分が何のためにTOEICを受けているのかを再度考え直しましょう。もし自分が移りたい部署や転職したい会社でTOEICの最低条件がでているのであれば、それを目標としましょう。

目標を決めたら、その点数を取るのに必要といわれる単語数を集中して覚えましょう。

目安としては:

500点=5000語

600点=6000語

700点=7500語

800点=10000語

程度を目標にして、600点狙いなら頻出単語6000語に狙いを絞って学習するようにすれば、無駄なく目標スコアに到達します。

たくさんの問題集に手を出すより、まずは公式問題集を完璧にやりこむ

本屋の英語コーナーにいくと、TOEICの模擬問題集が本棚を埋め尽くすほど多く出版されていますが、最初からこれらに手を出す必要はありません。

なぜなら、TOEICを運営するETSから公式問題集がでており、これで限りなく本番に近い音声や文章でトレーニングができるからです。本屋に並んでいる模擬問題集に手をつける前に、まずは公式問題集を徹底的にやりこみ、ひとつひとつの問題を完璧に理解できるまでやりましょう。

やりこむ時の注意点としては「なぜこれが正解か」だけでなく、「問題文のどこを変えると、ほかの選択肢が正解になるか」というシミュレーションを自分でしてみることです。

例えば時制問題で“I ____ a dog last week” (a. buy / b. buying / c. bought / d. will buy) という問題があったとしたら、“last week(先週)”の出来事であるため答えは過去形のc. boughtになりますが、これが“next week(来週)”だとしたら答えは未来形のd. will buyになっていたというシミュレーションを各問題でやりましょう。

倍速リスニングで速さに慣れる

リスニング対策として非常に有効なのが、音声を倍速にして耳を慣れさせるという方法です。動体視力のトレーニングなどと同じで、最初に速い音声を聞かされると脳がそのスピードに慣れるために高速で情報を処理しようとします。そのあとに普通のスピードの音声を聞かされると、ネイティブスピードの音声でもむしろ遅く感じられます。

これは普段の練習中でもそうですが、テスト直前に行っても効果を発揮するので、ぜひ日頃から取り入れておきたい勉強法のひとつです。

“TOEICの時間”を毎日設ける

最後に至極当たり前のことですが、TOEICの勉強にあてる時間を毎日設けることがとても重要です。特に忙しいビジネスパーソンにとって毎日時間を作ることは簡単ではありませんが、例えば朝起きてすぐの30分や通勤中など、「この時間帯はTOEICの時間!」というふうにルールを決めればその時間はTOEICに集中できるので、「とにかく1日にできるかぎりやる」というような曖昧なルールより継続しやすくなります。

TOEICで高得点を取っても鍛えられないスキルもありますが、TOEICの勉強をしていれば確実に地の力が身についてきます。また、TOEICで好スコアを記録して日常的に英語を使うポジションに就けば、毎日の仕事が英語のトレーニング代わりになるので、英語力アップへの登竜門としてTOEICの勉強に励んでください。

監修:ワンドロップス株式会社 代表取締役 村重亮

防衛大学校・陸上自衛隊幹部候補生学校を経て渡米しゼロから英語を習得。その後4か国に駐在し、20か国以上と取引をした豊富なグローバルビジネス経験をもとに超実践英語道場

Spark Dojoを設立。 武道の「トレーニング」や「スパーリング」のような形式で日本人に圧倒的に足りない実績と経験値を補い、脳科学に基づいて日本人が世界で戦うために必要な自信・英語力・コミュニケーション力を鍛え上げる。

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