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連載先輩ママに聞く、マイホーム購入
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長谷井 涼子
2014年12月1日 (月)

マイホーム購入の夫婦の主導権争い。夫主導はトラブルの元?

マイホーム購入の夫婦の主導権争い。夫主導はトラブルの元?(写真:deklofenak / 123RF)
写真:deklofenak / 123RF

2006年以降に住宅を購入したママ2075人にウィメンズパーク(ベネッセコーポレーション)と共同でアンケート調査を実施。前回は「マイホーム購入における実家の近さと資金援助の関係」について紹介しましたが(https://suumo.jp/journal/2014/07/08/65199/)、実家うんぬんの問題は夫婦間でもめるケースも少なくありません。今回は、マイホーム購入では避けては通れない、夫婦間の主導権争いに関してデータをもとに傾向を探ってみました。

決定権は「夫」、行動するのは「妻」

マイホーム購入に関しての決定権は、3分の1が「半々くらい」と答えましたが、「主に夫」「どちらかというと夫」を合わせると、半数弱が「夫に決定権があった」と答えており、「妻に決定権があった」ケースを大きくひきはなしました。

【図1】決定権があったのはどちらですか?(SUUMOジャーナル)

【図1】決定権があったのはどちらですか?(SUUMOジャーナル)

しかし、情報収集や現地見学など実際に「行動したのはどちらか?」の質問に対しては、「主に妻」「どちらかというと妻」と答えた人が約37%と、夫の割合(約30%)より多少上回りました。

【図2】行動したのはどちらでしたか?(SUUMOジャーナル)

【図2】行動したのはどちらでしたか?(SUUMOジャーナル)

そうなる理由としては、「お金を出すのも、ローンを返していくのも夫なので決定権はおのずと夫。細かいことを調べるのは、専業主婦で時間がある私がやることに」という声が多かったようです。

最も多いのは「行動も決定権も夫」の完全夫主導型

ではさらに詳しく、「行動」×「決定権」でパターン分けしたところ、多かったのが以下の組み合わせです。

【図3】「行動」と「決定権」のパターン(SUUMOジャーナル)

【図3】「行動」と「決定権」のパターン(SUUMOジャーナル)

最も多かったのが「行動も決定権も夫にあった」という夫主体のパターン。その理由の一例が以下のとおりでした。
・「常に夫が主導権を握る家族なので、自ずと決定権も行動も夫に」
・「私があれこれ調べても、どうせ文句をいって、自分の好きなようにするので、最初から私が口を出すのはあきらめていた」
・「私はお金のことやあれこれ調べるのが苦手。子どもが小さいので時間もなく、夫に全部お願いした」
など「仕方なく」の場合もあれば「これ幸いと任せた」の場合もあり、夫婦の関係性に大きく影響されるようです。

二番目に多かったのは「決定も行動も夫婦半々で」という対等夫婦のパターン。その理由を詳しく見ていくと、なにもかも二人で協力しながら、というより、「お互いに担当を分担」しているようです。例えば
・「夫が内装・リフォーム関係、ローンのことは私。と役割分担をしました。もちろん全体の流れの話はお互い把握していました」
・「お互い自分が気になることは自分で調べて、任せていた感じ。例えば立地や環境面は私。お金関係は夫というように」
・「部屋の間取りや設備、内装は得意な私、ローンや火災保険は夫にお任せした」
などが一例です。

三番目に多かったのは「決定も行動も妻」というパターン。
「当時は金銭的にもほぼ平等の貯蓄、収入があったので、乗り気だった私」
「普段から細かいことを調べたりお金の管理をしているのは妻のほう。実際夫はあまりよく分かっていなかったと思う」
「私が自宅で仕事をしていたこともあり、家にいる時間が圧倒的に長い私が好きなようにしていいと言ってくれました! 」
など、これも普段の夫婦の在り様によって自ずとそうなるようです。

「完全夫主導型」は衝突も多い。少ないのは「行動も決定も夫婦半々」

では、「マイホーム購入において夫婦で意見が衝突したか」を、このタイプ別に集計してみたところ、以下のような順位になりました。(衝突が「かなりあった」「多少あった」の合計)

【図4】「行動」と「決定権」のパターン別もめた割合(SUUMOジャーナル)

【図4】「行動」と「決定権」のパターン別もめた割合(SUUMOジャーナル)

行動も決定権も夫というケースが、最も衝突が多い結果に。例えば
「基本夫に任せていたら、保育園の送迎や、実家との距離など私が気になるすべてを“些細なこと”と思われて相談もなかった」
「購入に乗り気なのは夫のほうで、口をはさむと機嫌が悪くなってしまうので、私が折れた」などという声がありました。

次に多いのが、「妻が動くが決定権は夫」というパターン。
・「不動産会社の営業担当者相手にはあまり口を挟まないくせに、家に帰ってきたら、不満を言うし、調べるのもしてくれない。ほんと腹が立ちました」
・「夫は楽天家で、私は心配性で優柔不断な性格。いろいろ私が調べて、夫が決めるという流れに。なんとなく損な役割だと思うんですけど」
など、まるで夫が上司のようなやり取りに不満を感じる妻が多かったようでした。

ちなみに最も衝突が少なかったのが、「行動も決定も夫婦で」という対等夫婦。
「家を建てると決まったら、お互いが協力して物事を決定するようになった」、「元々私が欲しくて購入に至ったが、名義もローンも共同だったので、最終的な決定は二人で行うことにし、後で文句を言われないようにした」など、マイホーム購入の過程でもめないためにも、夫婦の役割分担は重要なようです。

マイホーム購入では避けては通れない夫婦の意見調整や主導権争い。うまく役割分担をしたり、交渉したり、乗り気なほうに動いてもらったり、方法はいろいろ。後悔しないためにも夫(もしくは妻)の攻略法を考えたいものです。

次回は、「マイホーム購入で夫に“イラッ”とした瞬間」について生の声をたくさん紹介します。

●SUUMO×ウィメンズパーク『妻から見た住まい購入に関する意識調査』調査概要
■調査期間: 2013年5月30日(木)~2013年6月8日(土)
■調査方法: インターネット調査
■対象: 日本在住の『ウィメンズパーク』会員のうち、2006年1月以降に住宅購入の経験のある既婚女性
■集計数: 期間内に回答のあったうち、25~49歳の既婚女性2075名(25~29歳:172名、30~34歳:678 名、35~39歳:773名、40~44歳:425名、45~49歳:27名)
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