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野村和幸/企画・エフェクト
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2015年3月12日 (木)

東北の復興とまちづくりを応援する「復興応援団」の活動

東北の復興とまちづくりを応援する「復興応援団」の活動(写真: iStock / thinkstock)
写真: iStock / thinkstock

2011年、東北地方に甚大な被害をもたらした東日本大震災。あれから4年の月日が流れ、テレビなどで復興に関するニュースを目にすることも少なくなった。だが、いまも復興に向け日々奔走している人たちは確実にいる。

そこで今回、気仙沼市や南三陸町などの地域で、復興に向けたプロジェクトを展開している「復興応援団」の代表である佐野さんに、お話をうかがった。

まず、「復興応援団」はどういった取り組みをしているのだろう。

「地元の人が中心となり、東北地域の復興を実現するため活動中です。継続して復興に取り組むには、地元の人が主役であるべきです。地域復興の担い手たちをボランティアとして応援し、地域外からもファンがつくようにさまざまなプロジェクトを実施しています」

なるほど。具体的な活動内容はどういったものだろう。

「過去には、被災者雇用で地域を支える挑戦を始めた、トマト農家のお手伝いをし、農業体験を通じてその農家のファンになってもらうプロジェクトを実施しました。地域外の人が中〜長期的に被災地と関わり続け、心を通わせるファンになってもらうことで、売上げに貢献し雇用創出にもつながります」

ボランティアに応募してくる人は、学生など若い人が中心なのだろうか。

「30代のビジネスパーソンの方が多いですね。『プロジェクトに参加したことで、自分の仕事の意味を見直すきっかけになった』という声をよく聞きます。また、参加者の3割程度の方がリピーターになってくれているのも特徴です」

ボランティアは随時受け付けているのだろうか。

「プロジェクトが発足後、HPなどで募集しています。次に募集予定なのは『ひとめぐりまなびたび』というプロジェクトです。これは南三陸町の地域復興の担い手たちをめぐり、被災当時のお話を聞き、共に体を動かすことで復興の現場に参加することを目的としています」

3.11の2日後に被災地に入り、“これは復興までに20〜30年はかかるな”と直感したという佐野さん。一過性の復興ではなく、さらにその先を見つめて地域に根ざした活動を続けている。被災地域で奮闘する事業主たちにとっても、心強い存在であることは間違いない。

●取材協力
一般社団法人 復興応援団
HP:http://www.fukkou-ouendan.com/
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