「美白有効成分は20種類もあるというけれど…」「メラニンの生成を抑えるものと、排出を促すものとどう違うの?」「最近、ちょっとしたことで肌がかぶれるようになって心配」
紫外線量が増えるシーズンを迎えて、やっぱり美白が気になる人は多いはず。白斑問題などもあって安全面も気になるなか、美白するにはどうしたらいいか、東京工科大学応用生物学美科学研究室教授・医学博士の前田憲寿さんが答えてくれました。
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目には見えない太陽光の代表格として挙げられる紫外線(UV:Ultra Violet)には、UVAとUVBの2種類があります。細胞のDNAにダメージを与え、シミを発生させるのがUVB。UVBを受けた肌は炎症(赤くなる)を起こし色素沈着(黒くなる)します。一方、UVAは、一時的に皮膚を黒く(即時型黒化)し、UVBによる炎症から守る働きをしますが、その後肌は元の肌色に戻ります。
夕日にはUVBが含まれていません。夕日の赤い光を浴びると、肌の代謝が高まり、真皮のコラーゲン合成が促進される効果も。事実、医療現場で皮膚の再生を促進させる治療には、赤色LEDが使われています。夕方の素肌散歩は、かえっておすすめですよ。
紫外線から肌を守るという意味では、もっとも有効なのは日傘。とにかく直射日光を浴びない、肌を赤くしないことが非常に重要です。毎日のスキンケアとしては、SPF20・PA+程度の下地やファンデーションで充分だと思いますが、子供用の日焼け止めなら、肌への負担を抑えることができます。
シミ対策にはビタミンC。継続的に体内に摂取するとシミが薄くなるという実験結果も出ています。いちごなどはとくに優秀です。
美白化粧品は慎重に選ぶべきです。たとえば、脂溶性成分が入ったものは皮膚が受けつけず、それどころか皮膚の中で蓄積されて代謝しないで、皮膚の中に長くとどまり炎症やシミの原因になることもあります。
【用語解説】
●SPF
紫外線防御指数。UVBを浴びて、肌が赤くなるまでの時間を何倍に延ばせるかを表したもの。たとえば、10分で赤くなる人がSPF20を使うと10分×20倍=200分。約3時間は防止できることになる。
●PA
UVA防御指数。UVA波の防止効果を示したもの。「明確な基準がないので、数値ではなく“+”の4段階表示なんです」(前田さん)。
●子供用日焼け止め
「皮膚が薄い子供の日焼け止めには、肌へのダメージが大きい紫外線吸収剤が入っていないものがほとんど。代わりに、酸化亜鉛(湿疹、肌荒れなどの薬の成分)や酸化チタンなどの粉末を含有する紫外線散乱剤(物理的仕組みで防御)が使われています」(前田さん)
※女性セブン2014年5月22日号