男女の出会いの場のひとつである合コン。
これまで人生で合コンには数回行ったことがありますが、あの合コン独特の空気感が耐えられませんでした。女子はモテそうな服装をしなければならず、注文の際はカシスオレンジやカル―アミルクを余儀なくされる雰囲気。そしてテーブル越しに男女がそれぞれ品定めしているスタイル。……ああ、スニーカーと短パンが履きたい! ビール飲みたい!
単純に行かなければ済む話なのですが、そうはいっても合コンのひとつぐらい気負わず参加できるようなコミュ力の高い大人になりたいもの。あの合コンっぽい雰囲気がなくなりさえすれば克服できる気がするのですが……。
そこで思い立ちました。飲み屋街で合コンしよう、と。ごちゃごちゃした雑多な飲み屋なら、短パン・スニーカーでビールだけを飲んでいても浮かないし。
早速、横浜にある野毛町で合コンをしてみました。
横浜・野毛とは
桜木町駅のそばにある野毛町。桜木町といえば観光スポットですが、野毛周辺には馬券売り場や歓楽街もあるため、おじさんが好みそうな500店以上の飲み屋が並んでいます。一見すると入りにくいようなディープなお店も多く、歩いているだけで知らないおじさんが気軽に話しかけてくる町でもあります。
今回合コンの会場に設定したのがこちらの「鳥勝」。
早速、女性陣と
男性陣と店内へ。
3対3の合コンをしてみました。
いざ、合コンスタート
合コンの嫌いなポイントのひとつに、男女が向かいあって座るところにあります。他のお客さんから見ても「合コンだな……」というのがバレバレなのも恥ずかしくないですか?
そこで、今回はカウンター席をチョイス。これなら向かい合って座るプレッシャーもない。
横並びの状態で、
乾杯! もちろんビール!
他のお客さんからも、普通の仲良しグループにしか見えないはず。確かに端と端の人ではかなりの距離感が生まれますが、ここまで遠いと「全員とちゃんと会話をしよう」という気がハナからなくなるので逆に気も楽です。
とはいっても、最初になにを話せばいいのかわからなくなるもの。
全員がひたすら飲む以外にすることがなく、気まずい沈黙が流れます。
そんな沈黙を打開してくれるのがテレビ。飲み屋って、なぜか必ずといっていいほどテレビが置かれているんですよね。話のネタに尽きた場合は、みんなでテレビ鑑賞。これぞ「飲み屋合コン」ならではの救世主です。
メニューを注文してみる
ひとしきりテレビで世界の絶景を見て場をつないだところで、早速メニューの注文へ。
最初にやってくるお通しがそうめんに枝豆と、夏らしいのがうれしい。
炙り白レバー。普通のレバーよりもレバー臭さがないお店の定番メニュー。
焼き鳥は1本100円から。1本から注文できるので、串から取り外す気配りとか見せなくていいのが非常に楽。1人1本ずついただきます。
評判メニューのとり釜めし。
この場に居合わせた常連さんいわく、「シメに食べようと思っていても、釜めしまでたどり着けなくなることが多い」らしい。
鮭・いくら・とり釜めし、という豪華コラボも。これは最後まで胃キャパを残しておきたいところです。
と、ひたすら食べている間に、いつしか他のメンバーは隣同士で話が盛り上がるように。端の席の私は、完全に話に入れなくなってしまった……。つらい。
会話についていけない……。
「よく野毛で飲むの?」
そんなさびしい瞬間に話しかけてくれたのが、
こちら、オーナーのム―さんです。
飲み屋だと、お店の人との距離が近いのもまたうれしい。合コンでひとりポツンと孤独を味わう危険性もなくなります。
「野毛は結構入りにくいお店もあるけど、入ってみると居心地のいいところがいっぱいあるんだよ。酔っぱらいのおじさんの街ってイメージがあるけど、最近ではおしゃれなお店も増えてきているし、女性客も少なくないし。常連になって、そこでいろいろな他のお店を紹介してもらうと野毛の楽しさが広がると思うよ」
なるほど! たまにふらっと飲みに来るよりも、野毛にはどっぷり通った方が仲良くなれそうです。私も通っちゃおうかな。
などとオーナーと談笑して過ごしていると、そろそろいい時間に。あれ、全然合コン相手と話してないけど、楽しかったからいいか。
いい感じに酔ったところでお開きです。
まとめ
合コンといえるかどうかは怪しいものの、飲み屋ならではの雰囲気で気負わず飲めるのがいいところ。活気のある店内ならば沈黙が続いても静まり返っている気がしないし、カウンターなら隣との距離も近いので親密な空気が生まれやすいような気がします。
ちなみに今日一番優しくしてくれてかっこよく見えたのはオーナーだったので、これは合コンとして収穫あったということでいいんですよね。
お店情報
鳥勝
横浜市中区野毛町2-70 野毛第二HBビル102
TEL:045-262-8035
営業時間:17:00~3:00
書いた人:成瀬瑛理子
横浜市出身。編集プロダクション・プレスラボ所属の編集・ライター。ガチムチ筋肉フェチで、水泳観戦が趣味。女子校育ちゆえに、女子が好きそうな恋愛・美容ネタが得意です。