ちまたで囁かれてる、「夏のマンションの最上階は、他の階よりも暑い」というウワサ。これは本当に真実なのか、それともただの都市伝説なのか!? そこで実際にはどうなのかを、10階建てのマンションで実験&検証してみた。
マンションの最上階に住んだ経験のある人の多くが、「最上階は、他の部屋より暑い!」という
感想を持っているようだ。かくいう筆者も、10階建てマンションの最上階の東向きの部屋に住んでいる。確かに言われてみれば、朝日を浴びた我が寝室は、うなされつつ目を覚ますほどの酷暑だ。
同じマンションの9階の東向きの部屋を事務所にしているのだが、事務所のドアを開けて「あれ? 下のほうが涼しい!」と思ったことが何度もある。
では実際どうなのかと、10階と9階に温度計を設置。朝8時前後のそれぞれの部屋の気温を、計測してみた。
1日目は10階34.8℃、9階31.5℃。2日目は10階32.2℃、9階30.1℃。3日目も10階33.0℃、9階30.0℃と、軒並み10階のほうが暑いという結果に!
8日間検証して計算してみたところ、平均温度差は2.03℃。実に2度以上も10階のほうが暑かった。
ちなみに気温の高い日ほど、気温差が大きくなりやすいということも分かった。
ではなぜ、マンションの最上階はかくも暑いのか? 「住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所」の井上恵子さんによると、大きな理由は「屋根が太陽の直射日光を受けるから」だという。
「屋根が太陽の熱で熱くなり、その熱が最上階の部屋に降りてくるのです。私の家でもそうですが、一戸建てでも1階より2階のほうが暑いんですよ」(井上さん)。
特にマンションの屋根に使用されるコンクリートは蓄熱しやすく、その傾向は高まるとか。暑くなりがちな最上階で快適に暮らすには、部屋の熱を上手に逃がす工夫や熱をためこまない策を講じるのが大事だと言えそうだ。
「最上階は低層階よりも風通しがよいので、2カ所以上の窓を開け、室内に風をよく通しましょう。窓ガラスが日射で熱くなるのを防ぐために、窓の内側よりも外側にすだれを取り付けるのが効果的ですよ」(井上さん)
マンションの最上階の部屋には、階上の住民の騒音がないという大きなメリットがある。しかも夏暑いということは、冬は暖かいともいえる?しっかり見極め&対策をほどこして、快適な最上階ライフを送ろう!