東京都と連携してこのイベントを実施しているNPO法人ふるさと東京を考える実行委員会によると、東京湾の水質悪化によって50数年前から都内23区の海はすべて遊泳禁止となっていましたが、工場からの排水基準の強化や下水道の普及などによって水質が改善され、2013年から「顔をつけない」という条件のもと海水浴の許可がまず下り、ようやく今年から顔をつけて海水浴できる場所となったそうです。
ただし、現段階では正式な海水浴場としてのオープンではなく、海浜公園内の150メートル四方を遊泳可能とする「海水浴社会実験」であり、この実験によって利用者ニーズや安全状況などを確認し、本格的な海水浴利用のための検討材料とするようです。期間は2015年7月18日~8月30日までの土日とお盆(8日~16日)で、それ以外の日は遊泳禁止となり、今までどおり波打ち際での磯遊びのみが可能となります。
また悪天候時や環境省が決めた水質判断基準に満たないと予測される場合、遊泳禁止となることもあるそうです。海水浴の実施可否は、「都立葛西臨海公園 園長の採れたて情報」のツイッターアカウント「@parkskasai」にて前日16時までに掲載されます。
海びらきとなった7月18日は、台風の影響で風と濁りが強かったものの、どうにか無事にイベントが開催されました。遊泳可能エリアには監視員が配備され、しっぽに毒針を持つアカエイが入らないようにネットで覆われるなど、安全対策は万全のようです。また簡易的ながら有料の更衣テントやコインロッカーも用意されています。
江東区から自転車で来たという中学生の男子グループは「こんな近くに泳げる場所ができて本当にうれしいです!」と、盛大に水を掛け合っていました。また4歳の男の子を連れたおかあさんは、「遠い場所だと移動で子どもが疲れてしまうのでとても助かります」と、大はしゃぎする息子さんの手を引いていました。
都心からのアクセスが抜群に良く、周辺には水族館や観覧車もある葛西海浜公園。この夏のレジャースポットの選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。ただし、遠浅のため大潮の干潮時などは潮が引いてしまい、泳ぐには不向きな場合もあるのでご注意を!