世界記録&史上初の3連覇! 羽生結弦の“強さ”の理由とは?

322.40点ーー。NHK杯における前人未到の300点超えが世間を賑わせたのは、2015年11月28日(土)のことだった。

改めてその実力を世界に誇示したあの日から、わずか2週間。12月12日(土)にバルセロナで行われたグランプリファイナルで叩き出したスコアは、なんと330・43点。再び世界記録を更新した羽生結弦は、大会史上初の3連覇を達成してみせた。

NHK杯後に垣間見えた“強さ”の理由

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話をNHK杯に戻そう。注目すべきは驚異的なスコア、ではなく優勝決定後のインタビューでの発言だ。

本当に血の滲むような、辛い練習をしてきた」

さらに、こう続ける。

これ以上の演技ができるよう、練習を積んでいきたい」

ソチ五輪で金メダルを獲得した実力者が“死に物狂い”で努力を重ねていた。さらに、誰も足を踏み入れたことのない300点台の世界に到達したにもかかわらず、当然のように“次のステージ”を目指すことができる。ここに羽生の本当の強さがあるような気がしてならない。

「どこまで自分の演技を極められるか」

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何が彼をそこまで突き動かすのか。すでに世界一の称号は手にしている。もう、勝てない相手などいないはず…が、そこに大きな勘違いがあった。これはグランプリファイナルを制した後の弁。

「世界最高の評価は嬉しいですが、スケートをするうえでは、どこまで自分の演技を極められるか、実力を発揮できるかが大事」

そう、彼はある意味では他の選手とは競っていない。自分が納得できる“完璧なスケーティング”のみを、ただひたすら追求しているのだ。実際に今回も、ほぼ完璧に見えたNHK杯の演技をさらに向上させ、演技点の全項目で点数を上乗せしている。

さらなる“進化”への期待…

「自信をもって演技できるよう、1日1日を悔いが残らないように、一生懸命練習していきたい」

再び世界最高得点を記録した夜、羽生はNHK杯のときと同じように、さらなる躍進を誓った。世界一の実力者が、まだまだ“血の滲むような努力”を続けるというのだ。近い将来、みたび世界記録を塗り替えようと、何も不思議なことではない。

 Top photo by Getty Images

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。