地域との相互理解へ 就労訓練工場「しせいかい」子どもらとパン作り


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工場のメンバーに教えてもらいながらサルの形をしたパンを作る上江洲子ども会の子どもたち=23日、うるま市上江洲

 【うるま】うるま市上江洲の就労訓練工場「しせいかい」は23日、うるま市の上江洲子ども会の子どもたちを招いたパン作り体験を行った。毎年恒例の交流行事。子どもたちが工場のメンバーに習いながら来年のえと申(さる)にちなんで、サルをイメージしたパンを作った。

 就労訓練工場は併設する精神科「平和病院」の一施設。地域と患者が互いに理解し合うための行事として、パン作り体験や祭りを毎年、行っている。
 23日のパン作り体験では上江洲子ども会から6人が参加した。エプロンなどを身に着けた子どもたちは、生地を延ばしてサルの顔やしっぽを形作った。パン工場のメンバーが「上手」「生地がもったいないよ」と、声を掛けながら、熟練した生地をこねる技をやって見せたり、棒状に延ばす作業としっぽを形作る作業を子どもたちと分担したりして成形した。
 子どもたちの中にはすっかりパン作りが好きになり、5年連続で参加しているという子も。初めて参加した運天詠美さん(11)=田場小5年=は「しっぽを延ばすところが難しかった。生地はムチムチしていた。教えてもらってうまくできた」と話した。
 日ごろから工場でパンを作り、10年になるという高良博さん(51)は「子どもたちは頭がスポンジのように柔らかく、教えたらすぐにできた。素晴らしい」と話した。パン作り1年の永田泉さん(21)は「仕上がりの時の子どもたちの顔が楽しみ」と満足そうに語った。