米主要メディアも報道 首相抗議、沖縄の集会も


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 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】米主要メディアは、25日夜の日米首脳会談で安倍晋三首相が米軍属女性遺棄事件について抗議したことを一斉に報じた。安倍首相が共同記者会見で「非常に強い憤り」などと厳しい言葉を用いて抗議したことを伝えるとともに、オバマ大統領が「深い遺憾の意」を表明したことを報じた。

 一方、沖縄で事件を受けた抗議集会が開催されたことも紹介した。

 ワシントン・ポスト(電子版)は安倍首相の抗議について「驚くほど強い言葉を用いた」と指摘。再発防止を訴える安倍首相の隣で、オバマ大統領が「厳粛な表情で立っていた」と記者会見の様子を伝えた。事件が米国の現職の大統領として初の広島訪問に対する日本国民の期待感をそぐ恐れがあると分析した。

 また、沖縄では米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設ですでに反米感情が高まっているとし、殺人事件で怒りの感情が再び起こっていると伝えた。

 ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は在日米軍5万人のうち、半数以上が沖縄に集中していることなどに触れ、事件が駐留米軍への批判をあおったと分析した。

 ブルームバーグ(電子版)も沖縄は過重な米軍基地負担と米兵による犯罪に不満を持っているとし、事件が抗議の引き金となっていると伝えた。

 米軍準機関紙「星条旗」(電子版)は、翁長雄志知事が日米首脳会談で日米地位協定の改定について言及しなかったことを強く非難したと報じた。

 CNNは、オバマ氏が「深い遺憾の意」を表明した上で、日本の捜査当局に引き続き協力していくことを日本側に約束したとした。