ビール最多、なまこも1億超 沖縄53社、海外展開


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 海邦総研(親川秀光社長)は25日、県内企業の域外取引の状況に関する調査結果を発表した。回答企業328社のうち、146社(44・5%)が県外への商品・サービス販売を手掛けているのに対し、海外展開を行っている企業は53社(16・2%)にとどまった。海外出荷額は「ビール」の約3億8千万円が最大で、出荷額が1億円を超えたのは「ビール」と「なまこ」だった。

 一方、海外展開する53社の84・9%が「今後さらに拡大を図りたい」と答え、縮小・撤退を検討している企業はなかった。今後、海外への販路開拓を希望するという企業も44社あった。

 調査結果について海邦総研は「国際物流ハブ制度や各種支援策などが充実している現状では、今後もチャレンジを試みる企業は増え続ける」と県内企業の域外進出は増加する傾向にあると推測した。その上で「地理的な問題、中小・小規模企業であるということに付随する問題などが多い」と課題も挙げ、進出目標の明確化や現地のビジネスパートナー確保の重要性を指摘した。

 海外展開する53社の国別販売先は台湾が6割弱、中国と香港がそれぞれ5割程度だった。輸出を続ける理由では「海外需要の増加」が73・1%と最も多く、「海外市場の収益性が高い」28・8%、「国内市場の減少」26・9%と続いた。

 域外進出の課題については県外、海外向けを問わず「物流コストが高い」「市場ニーズの把握が困難」などの意見が多数を占めた。販路の開拓に当たっての方策としては「現地でのビジネスパートナーの確保」や「展示・商談会への出展」を挙げる企業が多かった。
 調査は見本市や商談会に出展した企業など1963社を対象に実施し、328社から回答を得た。回答率は16・7%。

 県外に商品を販売する146社の販売実績を業種別で見ると、食品製造業が39社(26・7%)で、商社・卸売が25社(17・1%)と続いた。海外向けも同じ傾向で、53社のうち食品製造業が24社(45・2%)、商社・卸売が13社(24・5%)の順だった。