10代後半にも「居場所」 総合的支援の場、那覇に7月開所


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二

 那覇市は7月から生活困窮や引きこもりなどさまざまな課題を抱える10歳~18歳の子どもを対象に、生活習慣の改善や学習支援、食事の提供、就労支援を手掛ける居場所を開所する。県内市町村にある子ども食堂を含む居場所は、小中学生の利用が多いと言われる中、10代後半まで対象を広げた居場所は珍しい。那覇市は居場所での支援によって、高校中退の防止にもつなげたい考えだ。

 居場所づくりは「子どもの包括的自立促進支援事業」と位置付け、内閣府の予算を活用する。民間の事業所に委託し、居場所で生活保護世帯を含む困窮世帯の子どもたち約30人を受け入れる予定。
 委託期間は7月~来年3月31日まで。那覇市は現在、受託事業所を募集している。
 困窮世帯の中には、経済的な課題だけでなく、孤立や基本的な生活習慣が整っていないといった複数の課題を抱えているケースがある。那覇市の事業では居場所の支援員が面接を実施し、利用者一人一人に応じた支援プログラムを作成し、総合的な支援を施す。必要に応じて農業体験、ボランティア活動にも参加する。集団の学び合いを通して、学習意欲を引き出し、自己肯定感の向上も目指す。
 那覇市保護管理課の山城忠信班長は「これまで小中学生の支援を主に手掛けてきたが、中卒や高校中退の若者支援が十分ではなかった。若者の受け皿になりながらさまざまな支援機関と連携して自立を後押ししたい」と意欲を示した。