なぜバリキャリ女性は役職や年収が上がると男性の趣味が変わるのか?

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こんにちは、川崎貴子です。私は女性に特化した人材コンサルティングの会社を19年間経営しております。

さて。ここ数年で、私の周囲のバリキャリ女性たちが超年下男性との結婚をバタバタと決めていきました。それも、彼女たちが20代の頃に付き合っていた男性とは真逆なタイプばかりと。これは私も含め(8歳下のダンサーと2008年に結婚)加齢が引き起こす現象なのか……と思いきや、どうやらそれだけでもないらしいのです。主に自分で会社を立ち上げている、もしくは組織の中で役職や年収を着実に上げてきた女性に多いように思います。

昔は「自分より仕事ができて、自分より年収が高くて、自分より世の中を知っている男性じゃないと絶対に無理!」と吠えていたのに、結婚相手はというと「ダンサーて! 直属の部下て!」のような超常現象があちこちで確認されているのです。

なぜ彼女たちは、男性の趣味が変わったのでしょうか。

どうして女性は役職や年収が上がると、男性の趣味まで変わるのか

【原因その1】止められないオス化

既に日本国中で認知されている男性の草食化。しかし、そんな草食男子ですら「年収も知識も学歴も年齢も、何もかも自分より上の女性と付き合いたい」とは、マニアでない限り言わないはず。男性の女性選びは若者からオジサマまで、優しさや性格の良さ、そして何よりも容姿がタイプであることが大変に重要なのです。実際に男性に話を聞くと、優先順位の1位から5位ぐらいまで容姿が占めていたりしていて、「男ってしょうがないわねぇ」などとかつては思っていました。

しかし、フタを開けたらまあ、びっくり! バリキャリ女性たちもまさに同じだったのです。先に紹介した超年下夫たちも、失礼ながら揃いも揃って無駄にイケメンなのです。優しそうだし性格も良さそうですが、少なくとも優先順位1位から3位まで、「もしもし? 顔採用ですか?」と言いたくなるほどのイケメンなのです。ですからFacebookで「結婚しました~」というバリキャリ女性の投稿で「新郎写真」が目に飛び込んでくるたびに、私は「彼女たちのオス化」の確実な進行っぷりにスマホを持つ手が震えてしまうのです。

私が思うに、彼女たちが男性社会の中で出世してきたということは「男性的な思考を自ら進んで体得し、役職や年収が上がるたびにその思考を強化してきた」はず。プライベートだけは女性っぽい思考を取り戻せるなんて、なかなかそんなに都合よくはできておりません。

そのため結果的に、通常の女性たちがあまた挙げてきた結婚条件を全く踏襲せず、「顔・スタイル・性格が第一!」のような「まるで漢(おとこ)」といった異性選びが生まれやすいのではないかと。

【原因その2】社会的尊敬が「たいしたことないな」に変わるから

もう1つの理由としては「20代の頃に見えていた景色と、役職者になってから見える景色が変わったから」ではないでしょうか。

20代の頃や仕事ができなかった頃は、できる男性上司や先輩に「尊敬と恋心」を混同してしまいがちです。憧れの上司の「優しい言葉」や「叱咤激励」にぽーっとなったりするものです。ところが、自分が役職者になると、かつての憧れの上司の言動や行動はマネジメントとしてやらなければいけないことだと解ります。また、自分がそのスキルを身につけたときに「すごい!」と思っていたことが、「当たり前」に変化します。

同じ土俵に立つことによって、過去への感謝はあれど、もう憧れにはならない。ビジネスマンの先輩としか映らなくなるのは、至極当然な成長なのです。

【原因その3】失くしたものをパートナーで取り戻したくなるから

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3つ目の理由としては「キャリアを積むことで失くした何かを、パートナーで補てんしたくなるからではないか?」と私は思っています。

役職が上がれば上がるほど、素の自分を会社で見せにくくなります。また、嫌われる覚悟で部下を育てなければならず、前例の少ない女性管理職なら尚更、孤独感は募ります。さらに正義感だけでは渡っていけない場合も多く、理不尽なことにも対応しなければならない場面も多いもの。女性管理職の人たちは、それも仕事だと解っているけれど、どこかでそんな自分を淋しく思っていたりします。思えば遠くへ来たもんだ、と。

ところが、超年下夫たちはというと「素」が全開です。「謀」を知らない「にごりなき目」は、私を含めバリキャリ女性には羨ましいぐらいにキラキラして見える。そして、それはかつて自分たちも持っていたはずの「正義感」であり「素直な心」の表れだったりするのです。自分はそれらを手放してしまったけれど、夫が持っていてくれたら定期的に人間に戻れる気がする……という都合のいい予感に、魂が定期的に浄化されるのです。

私は、リーマンショックの時に一家の大黒柱でした。そんなある日、夫に「嫌ならやめちゃえば?」とゆるふわなテイストで言われて倒れそうになったのですが、「まぁ、確かに、やめちゃうという選択肢もあるよねぇ」と思うと、気が楽になった記憶があります。

マウンティングされたり議論を吹っ掛けられると、たとえプライベートでも甲冑を装備していくらでも戦います。しかし超年下夫たちは「プライベートでは裏読み、裏取りしなくていいんだよ」と、自らすっ裸&超無防備な姿をさらすことで血気盛んな妻たちを鎮めるのです。

他にも、仕事を極めれば極めるほど自分の欠点や足りないものが解るようになったりしますし、仕事を頑張れば頑張るほどプライベートでは癒されたくなります。そのため役職&年収が上がれば男性の趣味が真逆に変わるのも当然のこと。自然の摂理と言えるでしょう。

危険なのは、その大自然の声に耳を傾けないことだと私は思っています。

役職や年収や年齢が上がったのに20代の頃の恋愛観を引きずってしまったり、自分よりもさらに上の男性スペックを求めてしまう(でも、離婚経験者は嫌)。そうなるとマッチングが相当難しい、もしくは対象の独身男性がほとんど存在しないということになりかねません。

現にこれまでは、女性の年収が上がれば上がるほど未婚率が高いというデータがあります。これは稼げる女性たちまで「上昇婚以外、結婚にあらず」という呪いに縛られていたのが大きな原因の1つではないでしょうか?

「そうは言っても、尊敬できない男性は無理です」と、バリキャリ女性からよく相談を受けますが、その気持ちは解ります。男女ともに、たとえきっかけは容姿や色気でも、人間として尊敬できないと付き合いは長く続かないからです。

ただ、男性への尊敬ポイントは、年収や役職だけではありません。役職が上がれば、より広い視野で社内を見渡せるようになります。それと同じように、プライベートでも「男性の尊敬ポイント」を広い視野で見つけられるようになると、対象者はぐっと増えるのではないでしょうか?

男性の趣味なんて朝令暮改上等です。年齢や役割とともに自ら変化してゆくことが、この「恋愛・結婚サバイバル時代」に必要な進化でありスキルであると私は思っています。

著者:川崎貴子

1972年生まれ。埼玉県出身。1997年に働く女性をサポートするための人材コンサルティング会社(株)ジョヤンテを設立。女性に特化した人材紹介業、教育事業、女性活用コンサルティング事業を展開。女性誌での執筆活動や講演多数。著書に「結婚したい女子のためのハンティング・レッスン」「私たちが仕事を辞めてはいけない57の理由」「愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる。」「上司の頭はまる見え。」がある。2014年より株式会社ninoya取締役を兼任し、ブログ「酒と泪と女と女」を執筆。婚活結社「魔女のサバト」主宰。女性の裏と表を知り尽くし、フォローしてきた女性は1万人以上。「女性マネージメントのプロ」「黒魔女」の異名を取る。10歳と3歳の娘を持つワーキングマザーでもある。
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編集:鈴木健介
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