深夜残業のお供になる曲
ミュージックソムリエ協会では、「こんな時に聴きたい音楽!」ということで、日常のヒトコマで、ふっと聴きたい音楽を選曲しました。選曲はすべて、ミュージックソムリエ(http://musicsommelier.jp)によるもの。
秋の夜長を楽しみたい・・・。でも、会社の下期を迎える前で、やたら忙しい。受験の追い込みシーズンやら文化祭準備などで、学生だって秋はやたらと忙しい。やることが増えれば、仕事をする時間だって増えてしまうものです。そこで、今回は、深夜残業のお供になる曲を選びました。ササッと終わらせて帰るためのパワーをくれる曲など、悲しい残業をなんとか乗り越えさせてくれる曲をどうぞ。
1.「I Don’t Even Care」/Robert Gl
asper
ヒップホップとジャズの間を自由に行き交う、ニューヨークの音楽シーンの革命児とも呼ばれるピアニスト、ロバート・グラスパーのアコースティック・トリオによるスタジオ・ライブの1曲です。
2013年に発売されたアルバム「Black Radio 2」に収録されているこの曲は、メイシー・グレイとジーン・グレーによるヴォーカルがフィーチャーされたヒップホップなのですが、残業のお供には今年発売されたアルバム「Covered」に収録されているヴォーカル無しのジャズ・ヴァージョンで。3人のライブ演奏から生まれる独特の緊張感が、気持ちを冷静に集中させてくれます。
「I Don’t Even Care ~気にもしないね」と、リズミカルに仕事を片付けましょう。
(選曲・文/阪口マサコ)
2.「1/1」/Brian Eno
Roxy Musicのメンバー、Talking Heads等のプロデューサーとしても有名なBrian Enoはアンビエントを初めて提唱した、音楽界の重要人物です。アルバムに初めてアンビエントの名を冠したアルバム、『Ambient 1: Music For Airports』はアンビエントを世界に知らしめた1枚となっています。このアルバムの1曲目に「1/1」は収録されています。短めのフレーズが繰り返しゆったりと流れていく、ミニマルに進むこの曲はとてもシンプルで、「曲への意識を持たせず聞き流せる」というアンビエントの特徴を最後まで体感できます。作業にも集中できると思いますよ。
(選曲・文/片山明憲)
3.「予襲復襲」/マキシマムザホルモン
(選曲・文/石井由紀子)
4.「Take Five」/Dave Brubeck Quart
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リズミカルでほどよい緊張感が、深夜のお仕事をすばやく片付けさせてくれそうです。
かの栄養ドリンクを飲みながら、あともうひとがんばりという時に聴きたい曲です。
(選曲・文/阪口マサコ)
5.「Crazy」/SEAL
眠気と疲労感を振り切りながら、キーボードを叩き、ペンを走らせ、忘我の彼方に突き進むうち、どこからともなくパッと広がる脳内宇宙。その瞬間、目の前の視界も音も意識の中から消え失せ、精神が限りなく解き放たれます。それは静けさに満ちた調和の世界か、はたまた原色の溢れる躍動の世界か。いわゆる「ゾーン」というやつです。
そんな「ゾーン」にいつの間にか導いてくれそうな曲が、今回ご紹介する「Crazy(クレイジー)」。イギリスはロンドン出身のソウル・シンガー、SEAL(シール)が1991年に発表したデビューアルバム『SEAL』からのヒットシングルです。
元 The BUGGLES(バグルス)、YES(イエス)のメンバーにして名プロデューサー、トレヴァー・ホーンによるモダンなサウンド(そう、2015年の現在でも十分モダンに聴こえます!)に、比類なき深みを持ったシールの歌声が絶妙なマッチングを見せていますね。
近年はクラシックなソウルを歌うことの多いシールですが、またこうしたスピリチュアルでスペイシーな趣のある世界も見せて欲しいなあと、筆者は思ってしまうのです。
(選曲・文/伊藤威明)
著者:NPO法人ミュージックソムリエ協会