離島生徒の生活拠点に 8年越しで「群星寮」開所 那覇市・東町


この記事を書いた人 Avatar photo 金城 潤
高校のない離島から本島の高校に通う生徒の寄宿舎「県立離島児童生徒支援センター」=8日、那覇市東町

 高校のない離島から本島の高校に通う生徒の寄宿舎「県立離島児童生徒支援センター」(愛称・群星寮=むるぶしりょう)の開所式が8日、那覇市東町の同センターで開かれた。これまで高校に設置されていた寮はあったが、寮のない高校の生徒が入寮できる県立の寄宿舎は初めて。2007年度に設置の要請が出されて8年越しの開所で、待ちわびた関係者からは喜びの声が上がった。

 各学年40人を定員に、計120人が入寮できる。寮費は朝夕の食費込みで月3万6700円。現在、高校のない地域は15市町村23離島で、3月末までに19人が入寮し、新年度には新1年生40人が入る予定だ。一般も活用できる交流室なども設けた。
 翁長雄志知事は「本島での高校生活を迎える15の春に、安心して旅立ち、充実した高校生活が送れるよう、県としてもしっかり取り組む」とあいさつし、関係者に感謝の言葉を述べた。
 県離島振興協議会の外間守吉会長(与那国町長)は「開所は保護者の負担の緩和が図られ、離島の定住促進に寄与すると期待している。生徒たちが将来、立派な社会人となって島に戻り、島の振興発展のために活躍することを願う」と開所を喜んだ。
 愛称を考えた渡嘉敷中3年の安里銀二君(15)は「設備が整っていて、いい施設だと思った。入所したらいろいろな離島の生徒と仲良くなれる。未来に輝く星たちが集まり、楽しい生活を送ってほしい」と笑顔を見せた。