写真:Digital Vision / thinkstock
入学、進学、社内の異動や引越し……それぞれに新生活が始まった4月。この時期は多忙で、家の中の片付けまで手が回らないという人も多いのでは。
そこで、公共料金や税金関係の封書など、あの溜まりがちな書類の整理術について、“片づけ”のコンサルティングを行うスッキリ・ラボ代表の小松易さんに話を伺った。
届いた書類はすぐに処理する気持ちが大切!
まず、公共料金の用紙や封書などの書類は、どのように整理すればよいのだろう?
「定期的に届く書類などは、処理するタイミングが重要。郵便受けに届いたものは、家に入ってからソファに座る前に処理しましょう。例えば、チラシなど不要なものはすぐゴミ箱へ。封書は立ったまま封を開けて、封筒は捨てる。中身もざっと読んで、不要なら捨てましょう」
そう、つい座ってリラックスしてしまうとテーブルなどに放置しがち…。書類はすぐにその場で処理、が重要ということだ。では、具体的な整理術は?
「必要な書類ならA4サイズのクリアファイルに入れます。種類別に分けたA4ファイルを、半透明のファイルボックスに入れておけば、時間のあるときにじっくり読むことができます」
では、公共料金など口座引き落としの請求書は読むだけで済むが、外で支払わなければならない請求関連の用紙はどのようにすれば良いのだろうか?
「納付書やクーポン券など外出先で使うものは、半分のサイズのA5ファイルに入れ、バッグに入れて持ち歩くとよいでしょう」
たしかに、小さめサイズのファイルなら持ち運びも便利そう。でも、ファイル整頓までたどりつける自信がない場合はどうすれば…。
「初めは届いた書類の封をその場で開ける、ということだけでもOK。ハードルを低くして、やりやすいところまでに留めておくと習慣化しやすいのです。まずは3週間続けてみましょう!」
なるほど、とりあえずやりやすいことから始めるのがポイントのようだ。
ごちゃごちゃする自宅のデスク。整頓のキーは「15分」
次に、ごちゃごちゃしがちな自宅のデスクまわりは、どのように整理すべきか聞いてみた。
「まず、デスクの上はどんな状態が理想的か、というイメージをつくります。例えば、ノートPC、携帯電話の充電器、卓上カレンダーの3つだけは置いてOKと決めたら、寝る前と出掛けるときには、3つ以外のものは絶対にデスクの上に置かないようにします」
整頓された机の上をイメージすることは、たしかに効果がありそうだ。
「それができるようになったら、引き出しに取り掛かります。引き出しの整理には1日1カ所、15分が目安。キッチンタイマーなどを使って正確に計りましょう」
小松さん曰く、引き出しの整理には4つのステップがあるとのこと。それを以下にアドバイスとともに、まとめてみた。
【STEP1】引き出しの中身を全部出す
「これは全体量が目に見え、中身を出すと引き出しの中の掃除ができるというメリットがあります」
【STEP2】使うか使わないかで分ける
「文房具は1カ所を振り返って使ったものだけを残します。もう1カ所使ってみて、同じように分けると、本当に使うものだけが残ります。ここで重要なのは、“使えるか使えないか”で分けないこと。必ず、“使うか使わないか”という視点で分類することが重要です」
【STEP3】減らす
「2で使わなかった文房具は、引き出しから出して別のBOXをつくって入れるか、人にあげるか、捨てるかします。書類も裏紙にする、ゴミ箱へ捨てるなど処分します」
【STEP4】しまう
「残った文房具や書類の定位置を決めるのが理想ですが、15分では難しいかもしれません。整頓が苦手な人はこの配置でつまずくので、一旦元あった場所に戻すのがおすすめです」
15分の引き出しの片づけは、一人でなく友人などと行うのがよいそう。お互い携帯メールなどで、片付け前と後の写真を撮って送り合うなどすると、モチベーションがアップして続きやすいそうだ。ぜひ片づけを習慣化づけて、すっきりした毎日を送りたいものだ。
●取材協力 スッキリ・ラボ
小松易さんの新刊「『すぐやる人』になる1分片づけ術」(日経ビジネス人文庫)が2015年4月2日から発売中