名護東海岸「魅力伝えたい」 沖国大・村田さん、琉大・阿野さん


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
フィールドワークで久志小学校の歴史や住民の学校生活に関する証言を紹介する(右から)村田ゆうこさん、阿野翔大さん=13日、名護市久志

 【名護】沖縄国際大学4年の村田ゆうこさん(23)と市嘉陽で4年間地域活動を行う琉球大学4年の阿野翔大さん(24)が、学生ユニット「あちらこちら」を結成して名護市東海岸地域で地元住民の昔の暮らしなどを聞き取り、展示会やフィールドワークを自主企画した。歴史に詳しい村田さんと名護東海岸が大好きな阿野さんがタッグを組み、参加者と市東海岸地域を“あちらこちら”歩きながら地域の魅力を学び合い、伝えた。

 集落の聞き取りに興味があった2人は意気投合し、6月にユニットを結成。嘉陽区から東海岸地域に幅を広げて聞き取り調査を始めた。調査は東海岸の中でも比較的古い地域である辺野古や久志、天仁屋などで70~80代を中心にほぼ飛び込みで行った。おばあたちの女子会にも潜入した。
 「病気になったらブーブー(瀉血(しゃけつ))しよった」「先生の子どもの子守をしながら授業を受けた」。何げないおしゃべりには当時の生活が垣間見えたという。村田さんは「今とのつながりを身近に感じる暮らしが、調査のキーワードになった」と話す。
 調査結果を共有しようと、5日には宜野湾市で「くらし展」を開き、住民の証言や名護博物館などから借りた資料を紹介した。13日には、久志や辺野古の集落、嘉陽区発祥の地であるウエグスクなどでフィールドワークを実施。昔の写真や聞き取りを基に作成したイラストと、現在の場所を照らし合わせながら、今とのつながりを考えた。視察後は参加者同士で発見したことを発表し合った。
 参加した坪松美紗さん(26)=名護市=は「地域の人にも発見があるはず。立ち止まって考えることが大事だと感じた」と話した。
 阿野さんは「東海岸地域は人が温かくて大好きな地域。歴史と合わせて深く知ることで魅力を伝えたい」と目を輝かせた。卒論作成に入る2人は活動を当面休止するが、村田さんは「これからもできる限り活動を続けたい」と意気込んだ。(田吹遥子)