炭水化物抜きダイエットが「危ない」理由とは

「炭水化物」を抜くと腸はダメになる (青春新書インテリジェンス)
『「炭水化物」を抜くと腸はダメになる (青春新書インテリジェンス)』
松生 恒夫
青春出版社
896円(税込)
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 現在、炭水化物抜きダイエットをしているという方、便秘をはじめとした腸の不調を感じてはいないでしょうか。実は、この炭水化物抜きダイエットと腸には、ある関係があるのだと、4万人の腸をみてきた実績のある腸の名医・松生恒夫さんは指摘します。

 そもそも炭水化物とは、消化・吸収される糖質と消化されない食物繊維を合わせた総称。そのため炭水化物ダイエットによって炭水化物を抜くことは、食物繊維摂取量を減少させることにもなり、その結果、排便障害を起こすなどの「腸ストレス」を招いてしまうのだといいます。

 さらには、1960年代から50年の間に死亡数は約9倍にも急増し、日本人のがん死のなかで、女性では第1位、男性では第3位となってしまった、大腸がん。食物繊維摂取量の減少は、この大腸がんの増加にも関与しているそうです。

 主に7つの機能----排便力増加、腸内環境改善作用、過食抑制効果、血糖値上昇抑制効果、胆汁酸吸着能、吸着作用、免疫活性化作用----をもつ食物繊維。その摂取量減少の背景には、炭水化物抜きダイエットはもちろん、「日本人の食卓から、食物繊維や植物性乳酸菌が多くとれる、いわゆる和食(家庭食)」が少なくなってきたという、食生活の変化があるのだと松生さんはいいます。

 松生恒夫さん著『「炭水化物」を抜くと腸はダメになる』では、日々の食生活のなかで、どのようなものを、どれ位の量食べれば必要な食物繊維を摂取することができるのか、さまざまな食事メニューやレシピも紹介されています。

 たとえば、松生さんオススメの、1杯で0.8gの食物繊維が摂取でき、お腹の調子をよくし、胃腸をスッキリさせる効果のあるドリンク。その材料と作り方は以下の通り。

【材料(1杯分)】
粉寒天1g、ペパーミントのティーバッグ1個、レモン大さじ1〜2杯、オリゴ糖大さじ1杯

【作り方】
① 300mlのお湯にペパーミントのティーバッグを入れて抽出する
② ①にレモン汁、オリゴ糖を加える
③ 熱湯30mlに粉寒天1gを溶かしてよく混ぜ、②に加えできあがり

 ペパーミントに含まれるメントールは腸平滑筋を弛緩させ、オリゴ糖は腸内環境改善、超低カロリーの粉寒天は食物繊維が豊富と、腸にいいことづくしのドリンクなのだそうです。

 本書のレシピを参考に食生活を見直してみると、便秘解消そして大腸がん予防も期待できるかもしれません。

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