那覇市、保護者に「土曜は家庭保育を」 保育士負担減へ協力願


この記事を書いた人 志良堂 仁
那覇市が市長名で保護者宛てに出した文書

 全国的に保育士不足が問題となる中、那覇市(城間幹子市長)は保育士の勤務環境改善のため、土曜日は子どもを保育園に登園させず、各家庭で保育することを求める市長名の協力願を市内の公立、認可保育園に通う7千人超の園児の保護者宛てに出した。これまで同様の依頼は各園が園長名で出してはいたが、市長名での依頼は初めて。急場をしのぐための対策と言え、保育士不足の問題が緊急事態になっていることが浮き彫りになった。(玉城江梨子)

 市こどもみらい課は「保育士不足の背景には給料の割に勤務がきついことがあり、勤務環境改善が急務。土曜日も親が仕事や病気など必要な場合はもちろん預かるが、親が休みの場合は家庭での保育をお願いしたい」と理解を求める。
 那覇市は全国の中でも待機児童が多いが、その原因の一つが保育士不足だ。市によると、保育士不足のため受け入れることができなかった子どもは昨年10月1日時点で64人に上った。
 保育園は月~土曜日の6日間開園。ほとんどの保育園が延長保育も実施し、午前7時から遅い園は午後10時まで児童を見ている。
 一方、保育士の勤務時間は週40時間と決められており、土曜日勤務した保育士は平日に休みを取ることになる。しかし保育園は子どもの人数によって配置する保育士の人数が決まっているため、人が少ないと休みが取りにくい状況がある。