むくんで当然の生活をしている現代人だが、むくみがあまり気にならない人もいる。何が違うのだろう? むくみに詳しい帝京大学の医学博士・新見正則さんに聞いた。
「尿の排泄がスムーズな人や、定期的に運動をしている人は、あまりむくみに悩まされることはありません。むくみたくなければ、ふくらはぎの筋肉をたくさん動かすことです」新見さん。以下、「」同)。
医学の世界では、血液を促す大事な部位として、ふくらはぎを“第2の心臓”と呼ぶ。ふくらはぎの筋肉を強化すれば、筋肉が収縮し、ポンプのように血液を押し上げてむくみが解消できるのだ。
「手軽にむくみを改善する方法は、毎日の散歩。買い物や子供の送り迎えのついで程度でかまいません。歩く時間がないなら、つま先立ちや貧乏ゆすりを。筋肉を使うため、むくみ改善には効果的です」
また、脚全体に圧をかけることで、筋トレ効果を生み出すストッキングの着用も効果大。ストッキングで長時間脚を圧迫すると、血流が悪くなるイメージがあるが、脚全体を1枚の布で覆うため、着用を続けた方が下半身の血流がよくなるという。
実は、ストッキングと同じ効果を体内に持ち合わせ、むくみを回避している動物がいる。人間より背が高くて立ちっぱなしのはずのキリンだ。
「キリンなど背の高い動物の皮膚は、鬱血しないように硬質化しており、ストッキングをはいているのと同じ効果があるのです」
逆にいうと、ヒトがキリンの原理を取り入れるなら、ストッキングをはけばよいというわけだ。
「不快感がなければ寝る時もはいて可。ただし、一部分だけを圧迫して血液やリンパの流れを滞らせるガードルはNGです」
そのほか、水圧によってストッキング効果が得られるので、水中ウオーキングもおすすめだ。
※女性セブン2015年9月24日号