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日本の家電 中国勢か台湾勢の傘下に入るしかないと大前研一

 シャープが台湾メーカーとの資本・業務提携を発表した。かつてアメリカの家電メーカーは日本企業の台頭によって淘汰され、今やほとんど自国市場の白物だけで生き延びている。その過程を、いま日本の家電メーカーが歩み始めていると大前研一氏は指摘する。以下は大前氏の解説だ。
 
 * * *
 これから先、世界の白物家電の戦いは、いま1位のスウェーデン・エレクトロラックス、2位の韓国・LG、そして3位のハイアールによる三つ巴の死闘が繰り広げられ、その中で日本勢はさらに埋没していくと思う。このままいくと日本の家電メーカーの末路は、中国勢か台湾勢の傘下に入るしかなくなるかもしれない。

 かつてアメリカの家電メーカーは日本企業の台頭によって淘汰され、今やほとんど自国市場の白物だけで生き延びているGE(ゼネラル・エレクトリック)とワールプールの2社しかなくなった。その過程を、いま日本の家電メーカーが歩み始めているのだ。

 今までは世界に攻め込むフェーズだったが、逆に攻め込まれるフェーズになったのである。これは歴史の必然であり、そもそも日本は家電メーカーが多すぎたので、淘汰されるのは仕方がないだろう。

 熾烈な世界競争の中で生き残っていくためには、付加価値があって高いカネの取れる独創的な商品を生み出すか、新興国も含めた主要市場で圧倒的な販売網を構築するしかないのである。

※週刊ポスト2012年4月27日号

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