外国人の節約術を調査! 日本在留外国人が絶対削れない支出とは?

公開日:2016年2月3日

節約術といわれて思いつくものといえば、「お茶持参」「お弁当持参」「外飲みじゃなくて家飲み」「食材を無駄なく使う」など。ところでこれって、世界共通の節約術なのだろうか? 節約術は文化によって変わるのか、自国にはどんな節約術があるのか、日本に住んでいる外国人に聞いてみた。

■中国人女性(来日15年)

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――中国では、「お茶持参」「お弁当持参」「外飲みじゃなくて家飲み」「食材を無駄なく使う」などの節約術は一般的ですか? これらは日本で一般的な節約術なのですが……。

「中国人は基本的に温かいお茶が好きなので、冷たいお茶を持って行くことはあまりないかもしれません。会社などでお茶を淹れることが多いですね。お弁当の習慣はあまりないですね。中国の人は、冷たいご飯を食べるのが好きでない人が多いんです。オフィスに電子レンジがあれば、温めて食べる人もまれにいますけれど。家飲みもよくやりますよ。食材を無駄なく使うのは節約じゃなくて、あたりまえ(笑)! 大抵食べきれないほどたくさん作って、余ったら各々持って帰ります。外食した時も同じ。中国はお持ち帰りOKのお店が多いんです」

中国では、出されたものを残さず食べるのは「まだ足りない」という意味で失礼にあたるため、わざと残す。そして、それを持ち帰ることができる店が多くあるのだ。残った料理は捨てるのではなく、持ち帰って無駄にしない、というのが中国のスタンダードのようだ。

――“中国ならでは”の節約術はありますか?

「食費を節約するために、餃子を大量につくって冷凍しています。スーパーの特売日のチェックを怠らず、挽き肉が安くなっている時を見計らって購入し、たくさん作ります。皮ももちろん手作りです」

――やっぱり餃子を作るのが得意ですか?

「私は5歳から餃子を作っていたので目をつぶっても作れますよ(笑)。週末は家族で餃子パーティ。たくさん作って、まわりの人におすそわけしても喜ばれます」

餃子の冷凍保存とは、とても中国らしい節約術だ。日本人でもやっている人はいそうだが、皮も手作りする人は少なそう! 手作りの餃子の皮は、既製品よりおいしく、安く作れるという。

■スリランカ人女性(来日9年)

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――スリランカでは、「お茶持参」「お弁当持参」「外飲みじゃなくて家飲み」「食材を無駄なく使う」などの節約術は一般的ですか?

「うーん、人それぞれですかね。学生はお弁当を持っていきますね。社会人だと、食堂に行く人が多いかな。女性や既婚男性はお弁当を持ってくる人もいます。飲み物は、ほとんどの会社でホットティーが出るので、持参することはないです。スリランカでは『冷たいお茶』を飲む習慣はないんですよ。学生は冷たいお水を持って行きます。“家飲み”というのは聞かないですね。まず、女性はあまりお酒を飲まないです。男性は友達同士で外で飲むこともあるようですが」

スリランカも中国と同じで「冷たいお茶」は好まれないらしい。さすが「セイロンティー」で有名な紅茶の産地。ほとんどの会社で紅茶が出るとはうらやましい。

――スリランカならではの節約術は何かありますか?

「節約術、と言えるかわからないのですが、昔からの習慣があります。ご飯を炊くときに、その日使う予定のお米から一握りをとって別のポットに入れておきます。スリランカではお米をたくさん食べるので一握りくらいたいしたことはありません。毎日少しずつ保管して、ポットがいっぱいになったら貧しい人にあげます。こうすることで、自分に負担をかけずに人を助けてあげることができるんです」

国民の7割が仏教徒であるスリランカでは、お布施(慈悲の心を持って人に財施などを施すこと)の精神が根付いているようだ。

■韓国人男性(来日10年)

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――韓国では、「お茶持参」「お弁当持参」「外飲みじゃなくて家飲み」「食材を無駄なく使う」などの節約術は一般的ですか?

「家から弁当や飲み物を持って会社に行く人はあまりいないですね。安い食堂がたくさんあるので、必ずしも、持参すれば節約になるというわけじゃないから、かもしれません。家飲みはよくしますよ。韓国人は友人との距離がとても近いんですよ。友達になったらすぐ家に行っちゃいます。初回から、冷蔵庫も勝手に開けますし(笑)」

――確かに、韓国ドラマでも友達の家に行くシーンはよく見ますね。では、韓国ならではの節約術は何かありますか?

「韓国には、キムチやナムルなど保存がきくおかずがたくさんあります。基本的な惣菜のことを総称して『ミッバンチャン』というのですが、これを大量に作っておきます。それにご飯とコチュジャンがあれば、ビビンパの完成! 食費はかなり抑えられますね」

――やはり、キムチは自分で漬けるんですか?

「いや、いくら韓国人でも、一人暮らしでキムチを漬けてる男子は見たことないですね(笑)。実家の母親はやっていましたけどね」
確かに、日本でも一人暮らしで漬物を漬けてる人はあまり見たことがない。

今回は、それぞれ違う国から来た3人の外国人に“自国での節約術”について話を聞いたのだが、日本でのお金の使い方について、口裏を合わせたかのように同じことを言っていたのが印象的だった。それは、“交際費だけはケチらない。人とのつながりは宝。そこにはお金をかけても得るもののほうが大きい”ということだ。

知り合いが多くない日本だからこそ、人間関係を大切にしている。冒頭の中国人女性は、日本で住んでいるアパートの大家さんとは、一緒に旅行に行くほど仲良し。2番目のスリランカ人女性は日本でできた友人を家族のように思っているそう。最後の韓国人男性は、日本で人生の伴侶を見つけたとのことだ。

上手なお金の使い方とは、すべての支出を少なく抑えることではなく、お金をかけるべきポイントをしっかり見定めること。カットできる支出をしっかり節約することで、交際費など大切なことに使える予算が多くなる。人生を本当の意味で豊かにするために、自分がどの支出を抑えるべきなのか、しっかりと考えたい。

(ノオト+樋口暁子)

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