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井乃頭蓄音団×忘れらんねえよ 特別対談



井乃頭蓄音団 『グッバイ東京』 インタビュー

井乃頭蓄音団、対談企画第2弾!
忘れらんねえよ 柴田隆浩とのクロストークが実現!

古くからの盟友にして、お互いを“同じ穴のムジナ”と語り合える両者が、共に観ていたというフラワーカンパニーズの武道館公演にはじまり、改めて出会いの思い出や柴田が“今年で一番よかった!”と絶賛するアルバム『グッバイ東京』。そしてメンバー脱退についてまで、井乃頭蓄音団の松尾よういちろう(歌、アコースティックギター)、ヒロヒサカトー(エレキギター)と包み隠さずに語り合います。

覚悟ではなく諦め “やるしかないんだよな……”


△左からヒロヒサカトー(井乃頭蓄音団)/柴田隆浩(忘れらんねえよ )/松尾よういちろう(井乃頭蓄音団)

--今月開催されたフラワーカンパニーズの武道館公演は、皆さん行かれたそうですね。

柴田:最ッ高だったよねぇ! ヤバかった! 怒髪天さんの時は暗転した瞬間に涙出たけど、フラカンさんの時は泣くよりもアガって、最高に笑ったしめっちゃ晴れやかだった。ライブハウスで戦ってきた延長での武道館というか……、ここで終わるみたいな感じは一切無くて、普通に歩んできた結果の武道館で、これからも歩んでいくみたいな感じだったね。

ヒロヒサ:ゴール感が無かったんだよね、来年もツアーがあるし、通過点感がすごかった。俺たちもこの間、渋谷WWWでワンマンやったんだけど、そこですでに“俺の人生では最後かもしれない……”っていうゴール感が出ちゃったもん(笑)。

松尾:忘れらんねえよって長く続けたい? それともどこかでパッと終わらせたいとか、考えたことある?

柴田:あるある、最近寝る前とかに考えるんだよね、生きてる意味とか。今まで全然考えてなくて、楽しきゃいいと思ってやってきたんだけど、最近バンドをやる意味とか生きる意味とか考えててさ、結論は特にないんだけど……。

松尾:井乃頭蓄音団は長く続けようって言ってるし、私はずっと歌っていたいと思ってたから、どこまでいっても、どんなライブをやっても通過点に思える。フラカンは20年続けていて、もっともっと続けようっていうつもりがあるから、ああいうライブになったんだと納得した。

柴田:それはすごいわかる。要は辞められないんだよ。これだけバンドに人生を突っ込んでるとさ、歌うことやバンドを無くすと何にもない。自分の人生がスカスカで無為なものになっちゃうから、辞めたくても辞められないというか。覚悟ではなく諦めだよね、“やるしかないんだよな……”って。

だからこそ毎日を楽しくしなきゃなって気持ちになるよ。どうせ死ぬまで辞められないんだから、今日が楽しい方が良い。毎日が充実していて今日のライブが最高、っていう考え方の方がいいんじゃないかって最近思うようになって。

松尾:前はあれしてこれしてこうなって……みたいな話をよくしてたよね。


柴田:うん。それは今も考えるけど、あと30年続くと考えたらさ、ここ2?3年で流行ったり売れたりした人とかもほとんどがその状態が続いかないわけじゃん? だったらあと30年続く音楽の道をどれだけ美しく完遂するか。そっちの方が大事なんじゃないかって考えるようになってきて。

--では、井乃頭蓄音団と忘れらんねえよの初対面というのは?

柴田:THEラブ人間のライブの打ち上げだっけ?

ヒロヒサ:いや、柴田くんは松尾さんと対バンをしたよね、下北のCCOで。

松尾:金田くんの弾き語り企画で、彼はそのライブに誘ってくれた時から“松尾さんにどうしても会わせたい奴がいて、柴田っていうんだ”って言ってた。当時はお互い、コンドームとかセックスの歌しか歌ってなかったんだよね。

柴田:下ネタしかなかった(笑)。

--2011年には忘れらんねえよのワンマンに、井乃頭蓄音団がゲスト出演したこともあったとか。

松尾:あれはヤバかったですよ。忘れらんねえよがデビューする前、ワンマンをやるからオープニングアクトとして一緒にやってくれないかって話で、やってみたら演奏時間がほぼ同じくらいだったっていう。

柴田:僕らの曲数が足りなくて、全曲やっても4?50分だった(笑)。

松尾:あと、JACCSカードのイベントに出たのも2011年だもんね。

柴田:ふたりで司会やったよね。UST番組の司会だったと思うけど……、思い返すとだいぶ成長したなって自分のことながら思うよ(笑)。

ヒロヒサ:「この街には君がいない」ってあの時の曲だよね?

▲「【MV】この高鳴りをなんと呼ぶ - 忘れらんねえよ」
▲「【MV】この高鳴りをなんと呼ぶ - 忘れらんねえよ」

柴田:そうそう。書き下ろしした曲だったんだけど、単純に技術とかバンドに向き合う感じが変わってきていた時期だったから、ちょっと曲も変わってきてた頃で。あの後から「この高鳴りをなんと呼ぶ」とかの流れになっていくから。

松尾:まだあの曲がリリースされる前、会った時にずーっと口ずさんでたのを覚えてる? “松尾くん、すげえメロディが降ってきたんだよ!”って、どっかのライブハウスでずっと歌ってた。それで半年後にシングル『この高鳴りをなんと呼ぶ』が出て、“あ、あの時の曲だ”って。



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インタビュー写真

井乃頭蓄音団「グッバイ東京」

グッバイ東京

2015/11/11 RELEASE
INORC-5 ¥ 2,200(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.夢ひとつ
  2. 02.さよならだけでも構わない
  3. 03.透明人間フェスティバル
  4. 04.文豪気取り
  5. 05.二人の影
  6. 06.閉店
  7. 07.バカ息子
  8. 08.言ってはいけない言葉
  9. 09.タスマニアエンジェル
  10. 10.帰郷
  11. 11.グッバイ東京

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