障害者差別解消法 来月施行 沖縄市で研修会


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4月施行の障害者差別解消法について解説した講演会=2月28日、沖縄市社会福祉センター

 【沖縄】ピアサポートセンターつなぎ主催の市地域ピアカン研修会が2月28日、沖縄市社会福祉センターで開かれた。障害者差別解消法が4月から施行されるのに伴い、法律で規定される「合理的配慮」の意味について説明を受けるとともに、グループ討議で、どう「合理的配慮」の在り方を発信するかについて話し合った。

 研修会は「障がいのあるわたしが発信する合理的配慮」を副題に開催された。講師の県自立生活センター・イルカの早坂佳之さんは「合理的配慮について」を演題に講演した。法律では国や地方公共団体など公的機関が「合理的配慮」の提供で義務化されるのに対し、民間事業者は努力義務なことを解説した。
 例えば、確定申告などで2階会場から説明者を1階にも配置を求めて、それに対応するのは「合理的配慮」となる。これに対し、2階建てのそば屋など民間事業者にエレベーターの設置を求めるのは「合理的配慮」にまでは及ばないなど事例を交えて説明した。
 討議では、知的障がい者らの相談に対応する比嘉ひとみさん(73)=沖縄市=が「知的障がい者が銀行で預金通帳の発行の際に、名前と住所を漢字で書いてと言われたら」など事例を発表した。そのほか想定される複数のケースを素材に「配慮」をどう求め、実現させていくかについて話し合った。
 参加者からは「せっかくできた法律なので『合理的配慮』の中身を充実させるため、事例を多く集め発信したい」などの声が上がった。
 研修会のあいさつで市障がい者福祉協会の平田聖人さんは「もう難儀と思うところもあるが、味方となる法律ができた。諦めずに仲間を増やし、どうやってほしいのか発信していきたい」と、法律の積極的な活用を呼び掛けた。