「和・洋・琉 折衷の建物」 津嘉山酒造所の構造学ぶ


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前原和夫さん(右)が瓦を作る工程を興味津々に見詰める参加者ら=2月27日、名護博物館

 【名護】国指定重要文化財で名護市にある津嘉山酒造所の展示説明会が2月27日、名護博物館で開かれた。文化財建造物保存技術協会の田村琢(みがく)さんによる建築構造の説明と、酒造所の瓦修復に携わる前原和夫さんによる瓦製造の実演があり、訪れた市民らは酒造所の建築構造について興味津々に学んでいた。

同酒造所は1928年ごろに建設された。2011年から修復工事を行っており、17年6月に完成する予定としている。
田村さんは、修復工事で分かった酒造所の詳細を来場者に説明した。酒造所の離れに和風の「書院造り」になっている部分があると話し、「この時代の沖縄の建物ではほかに例がない」と意義付けた。
壁などにも洋風と和風、琉球風が合わさっていることを指摘。さらに「建物を見るときには人の手の痕跡を探すと面白い見方ができる」とも提案した。
現在、酒造所の瓦修復作業に携わっている金城建設の社員で、琉球古瓦復元研究所の前原さんによる瓦の説明と瓦作りの実演もあった。前原さんが慣れた手付きで、土を瓦の形に合わせて仕上げていくと、来場者から歓声が上がった。

※注:田村琢さんの「琢」は真ん中に線が入る