貸し切りバスの運転手不足 少ない若手、40代最多


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 県がこのほどまとめた県内貸し切りバス産業調査で、バス運転手の高齢化と若年層の人員不足が顕著となっていることが分かった。沖縄を訪れる外国人客の増加により、バスの需要が低い夏場などの底上げに寄与するが、修学旅行生が多い繁忙期の秋にも外国人客の需要が高まっており、全体として運転手が不足している傾向にある。

 2014年度現在、県内のバス事業者数は52社で、うち兼業が15社、貸し切り専業が37社。保有台数は乗り合いバスが769台、貸し切りバスが869台。貸し切り1社当たりの平均台数は23・4台。
 バス会社の雇用状況をみると、運転手は40代が42・7%で最も多く、次いで60代以上が25・6%、50代が16・7%、30代が13・1%など。ガイドは30代が最多の31・5%で、次いで40代が30・1%、20代以下は22・2%など。
 一方、14年1月~15年12月までの貸し切りバスの稼働状況では、修学旅行生が多く訪れる14年10~12月と15年10~12月の貸し切りバス契約件数が最多であるのに対し、夏休み期間の14年7~9月と15年7~9月の需要が最も低い。しかし、15年1~12月までの月別利用者をみると、バス需要が低い8月に外国人客の需要が最も高く、繁忙期の10月以降の需要も高まっている傾向にある。
 運転手不足について、「繁忙期のみ不足している」の回答が最も多かった。その対応について、非正規社員の雇用や、バス手配を断る事例もあるという。
 今後運転手不足の問題を解決するため、若年層に対し免許取得の補助制度や、業界全体の賃金改善などを提言した。
 同調査事業は県がJTB沖縄に委託し、ことし2月に県内52バス会社にアンケートを配布した。回答は25社だった。