住まいの雑学
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奈古 善晴(考務店)
2015年12月17日 (木)

エアコンは「つけっ放し」がいい? 冬の暖房費、節約法

エアコンは「つけっ放し」がいい? 冬場の暖房効率をあげる方法
写真:imageegami / 123RF 写真素材
今年の夏はTwitterやFacebookなどのSNSで「エアコンの冷房はつけっ放しのほうが安くなる」という話題で盛りあがったが、はたして冬場の暖房も同じような使い方でいいのだろうか?

冬場も暖房は「つけっ放し」のほうが電気代が安くなる

ズバリ、エアコンは暖房時もつけっ放しのほうがいいのか、節約アドバイザーの和田由貴さんに話を伺った。「エアコンはつけはじめとしばらくたったあとでは、消費電力が5倍近く違うのでこまめに消すよりはつけっ放しのほうが電気代が安くなる可能性があります」(同氏)。

和田さんによると、エアコンはつけはじめの10~20分くらいの間がもっとも消費電力が高くなるそう。そのあとの消費電力は、テレビよりも低くなる可能性があるのだとか。ただし、使用しているエアコンや室内と室外の温度差によっても異なるので、必ずしもつけっ放しが良いとは言えないとのこと。

ちなみにエアコンの風量については自動運転がいいそう。電気代を抑えるために、微風や弱風などに設定しがちだが、風量が弱いと部屋が暖まるまでに時間がかかり余計に電気代がかかってしまう。風量を自動にしておけば、最初はいっきに部屋を暖め、その後は室温を維持するように消費電力を抑えながらの運転に切り替わる。

また、暖房効率を上げるために、サーキュレーターや扇風機を組み合わせることも大切なようだ。「サーキュレーターをエアコンの真下に置いて、天井中央に向けて送風すると部屋の空気が撹拌(かくはん)されて暖房効率がアップします」(同氏)

エアコンとサーキュレーターの組み合わせはよく耳にするだろう。ただ、和田さんによると暖房効率を上げるためには、もうひとつ大切なことがあるのだとか。それが加湿。部屋が乾燥すると体感温度が下がってしまうため、加湿をして暖かさを感じやすくすることがいいそうだ。ちなみに、適切な湿度は40~60%ほど。室内の湿度が分からないときは、100円均一ショップなどで湿度計を購入できるとのこと。

暖房器具は用途によって使い分けるのがオススメ

さて、暖房器具はエアコンのほかにもいろんな種類のものが発売されており、新しい器具を購入するときに迷ったことはないだろうか? 和田さんにオススメの暖房器具を伺ったところ、用途に応じて使い分けることが大切ということだった。

例えば、自分一人だけが暖をとれればいいなら、電気ひざ掛けがオススメ。部屋全体を暖めることはできないが、電気代が安くひざ掛けを肩にかけて温まることもできるので、一人だけならこれで十分かもしれない。

また、キッチンなどで料理をする際に足元をスポット的に温めるなら、ハロゲンヒーターやカーボンヒーターがいいそう。なかでもシーズヒーターと呼ばれるものは、遠赤外線の照射量がハロゲンやカーボンよりも多く、体の芯から温めることができるのでオススメとのこと。ただし、こちらも電気ひざ掛け同様に、部屋全体を暖めるには不向きなので注意しよう。

ちなみに住まいがオール電化でなければ、冬場はガス代も高くなりやすいそう。冷えきった体を温めるために、いつもより長くシャワーを浴びてしまったりすることが原因。子どもを持つ家庭であれば、お風呂にお湯を入れて体は湯船に浸かって温めるようにし、シャワーは短時間にするとガス代を節約できるそう。また、節水タイプのシャワーヘッドに交換するのも◎。

これからますます寒くなっていくので、暖房器具を使用する時間も長くなるだろう。そんなときは、今回紹介したような方法で、賢く節約すると光熱費を抑えることができるかもしれない。

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