画集『神戸百景』
川西 英が愛した風景
発行日:2008年11月20日
発行所:株式会社シーズ・プランニング
TEL 03-5428-5680
川西 英は1894(明治27)年、港町・神戸のルーツである兵庫津として栄えた兵庫の町(現・兵庫区)で生まれました。独学で"自画・自刻・自摺"の創作版画に取り組み、独自の作風を確立。関西における創作版画の雄として活躍し、1965(昭和40)年、70歳の生涯を閉じるまで、終生ふるさとを離れることはありませんでした。
港とともに発展し、外国のさまざまな文化・人・物がいち早く流入した神戸の街。川西 英は、あふれる異国情緒に魅せられ、強い刺激と影響を受け、創作に熱中しました。「自分に師があったとすれば、それは神戸だ」と明言し、「この街が持っている新鮮さ、明るさ、異国情緒といったものに感謝したい」と常々語っていたといわれます。
川西 英は生涯で二度、『神戸百景』と題する連作を手がけています。最初は、1933~36(昭和8~11)年に制作した『神戸百景』(版画)で、活気あふれる戦前の風景と都市風俗を捉えた作品です。二度目は、戦後の変わりゆく風景を描いた『新・神戸百景』(描画)で、1952~53(昭和27~28)年に制作した後、1961(昭和36)年に一部描き直し、翌年、画集『神戸百景』として出版されました。
神戸をこよなく愛した川西 英もまた、神戸の人々から深く愛され続けています。そして川西 英が描いたモダニズムとエキゾティシズムあふれる神戸の風景は、今もなお国内外の人々を魅了し続けています。