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次にくる住みたい街取材班
次にくる住みたい街 取材班
2016年2月8日 (月)

永遠のライバル「大宮」VS「浦和」が今年もアツい

永遠のライバル「大宮」VS「浦和」が今年もアツい
写真撮影:次にくる住みたい街はここだっ!取材班
埼玉の鉄道の要衝で、一大商業都市・大宮。県庁所在地が置かれる埼玉の行政の中心地・浦和。両者がライバル関係にあるのは埼玉県民の間では有名な話だが、2015年以降、この関係がさらにアツくなってきている。

大宮と浦和のライバル関係は歴史が深い

両者のライバル関係を象徴する出来事といえば、65年前の県庁誘致合戦だろう。1948年、浦和の埼玉県庁が放火事件により消失。新しい県庁をどこに建てるかが問題になった。そこで大宮が、新県庁所在地に名乗りを上げたのだ。
そして1950年の「県庁復興対策特別委員会」の決戦投票で、現県庁所在地の浦和と熾烈(しれつ)な争いを繰り広げたという。

Jリーグ”さいたまダービー”も有名だ。1991年のJリーグ発足時に浦和レッズがJリーグに加盟。後の1999年に大宮アルディージャがJリーグに加盟。以来、両チームの対戦はJリーグ随一の熱狂を見せている。2015年は大宮アルディージャがJ2に降格してしまったためダービーは行われなかったが、2016年はアルディージャがJ1に見事復帰。再び熱いダービーを繰り広げるだろう。

大宮アルディージャの公式クラブショップ「オレンジスクウェア」(写真撮影:次にくる住みたい街はここだっ!取材班)

大宮アルディージャの公式クラブショップ「オレンジスクウェア」(写真撮影:次にくる住みたい街はここだっ!取材班)

2015年、大宮に北陸新幹線が開通、浦和にアトレがオープン

そんな大宮と浦和の2015年は、発展目覚ましい一年だった。
大宮では、2015年3月に登場した上野東京ラインにより、交通の利便性が大幅にアップ。大宮~東京間の所要時間は46分から34分に、品川駅までは55分から42分に短縮された(京浜東北線快速利用時で比較)。そして同月に北陸新幹線も開業し、家族と離れて暮らす単身赴任者や出張の多いビジネスパーソンからの注目度も高まっている。

14路線が乗り入れる大宮駅(写真撮影:次にくる住みたい街はここだっ!取材班)

14路線が乗り入れる大宮駅(写真撮影:次にくる住みたい街はここだっ!取材班)

浦和では、大宮同様、上野東京ラインの開通で、浦和〜東京間が40分から25分に、品川駅までは52分から33分に大きく短縮されたほか、2015年11月25日に「アトレ浦和」がグランドオープン。自社農場の野菜が自慢の「京都 八百一」、オシャレな生花店「レ・ミルフォイユ・ドゥ・リベルテ」、保存料・化学調味料不使用のイタリアン惣菜「アントニオズデリ」など、埼玉初出店の店が10店舗も登場。なかでも、全国5店舗目となるライフスタイル提案型書店「浦和 蔦屋書店」のオープンは、浦和の知的なイメージをアップさせたと言ってもいいだろう。
2020年には、西口駅前広場の南側に、商業施設・オフィス・住居が入る27階建の超高層タワーの完成も予定されている。

2020年までに大きく変貌を遂げる大宮

「アトレ浦和」のオープンに高層タワー計画と、ブランドイメージが確立しつつある浦和だが、大宮だって負けてはいない。現在、大宮駅東口・西口では大規模な都市計画・再開発が予定されているのだ。

まず、埼玉一の規模を誇る歓楽街である東口では、中心地となる「大門町二丁目中地区」に、東口の新たなランドマークとなる18階建ての複合ビルを建てる計画が進められている。
ビルには公共施設(市民会館)や商業施設、オフィスなどが入居予定。敷地内には、吹抜けのオープン空間となる「辻広場」なども整備され、新たな人の流れが生まれそうだ。完成は2020年の予定だという。

そして、「そごう」「ビックカメラ」「マルイ」「DOMショッピングセンター」などの大型商業施設やオフィスビルが建ち並ぶ西口でも再開発が進行中。
現在、そごうの南側の一帯(西口第四地区)の土地区画整理が行われており、2018年ごろまでには、駐車場や空き地となっている場所に公園や街路樹などが整備され、住宅と商業施設が共存する緑豊かな地区に生まれ変わる予定だ。

知的で落ち着いた浦和と、交通至便で何でもそろうエネルギッシュな大宮。ともに魅力のある二つの街だが、東京オリンピックが開催される2020年ごろまでにはさらなる進化を遂げていることだろう。今後もこのライバル2都市から目が離せない。

構成・取材・文/鈴木さや香

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