4メートル農道に米軍大型車 よけた住民の車脱輪


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細い農道をすれすれで通行する米軍の大型トラック=19日午後3時37分、米軍北部訓練場のH地区近く

 【東・国頭】19日午前、東村高江から国頭村安波にまたがる米軍北部訓練場のH地区のゲート付近で、細い農道(幅4メートル余)の半分以上の幅がある米軍の大型トラックと行き交う際に、住民の男性が運転する車の左側タイヤが脱輪した。男性の車は、米軍トラック2台のうち1台目を避けるために左へ寄せた際に脱輪し、2台目はそのまま通過した。

 さらに同日午前、別の地点で米軍トラックが左折する際に畑にはみ出し、植物を約10メートルにわたり踏み倒して通行した。
住民からの通報を受けた東村企画観光課の職員らが19日午後、現場を視察した。現場を確認した村企画観光課は「あの農道で(大型車両が)対向して通行するのは厳しいことが確認できた。訓練の頻度なども含め、住民に影響がないよう防衛局と確認する必要がある」と話した。村は沖縄防衛局を通して米軍側へ安全対策を求める方向で検討している。
 現場は2カ所とも村管理の「高江1号農道」。車が脱輪した松葉孝雄さん(72)=同村高江=は、対向する米軍トラックと接触の危険を感じ農道の左へ車を寄せた。雑草で側溝が見えにくい状態だったという。松葉さんは「乗用車が擦れ違うのもやっと。あの道幅であの車幅の車両が通行することに疑問がある。それを想定した道ではないはずだ」と強調した。
 脱輪した車を道路へ戻す手伝いをした造園業の浦崎直秀さん(68)=東村高江=は「農道は住民が使う生活道だ。こんな走り方をするのは許せない」と農作物運搬への影響も懸念した。
 米軍トラックが左折時にはみ出した畑では、赤土流出防止のために植えられたベチパーが倒された。米軍トラックは訓練へ向かう途中だったとみられ、同日午後に村職員が視察している最中にも細い道を走行していった。