――まず、トイレアプリを開発することになったきっかけは?
1964年に国内で輸入した温水洗浄便座を発売して、約50年が経過しています。その機能は年々進化し多機能になっていますが、取扱説明書に掲載していても、あまり使用されない機能も出てきていました。スマートフォンを活用し、次の操作をナビゲーションすることで、たくさんの機能を使用していただきたいと考えたのです。
――確かに、トイレで使う機能はいつも決まっているかもしれないですね。テレビのバラエティー番組でも有名な、医師のおおたわ史絵さんが監修しているということですが、なぜおおたわ先生が監修することになったのでしょう?
スマホアプリをいくつか検討するなか、おおたわ先生の著書『今日のうんこ』(文芸社)に出会いました。本には、トイレの本質的価値である排便に関して、非常に分かりやすく書かれています。この本の内容をアプリにすることで、トイレ利用者の健康管理に役立てないかと考え監修をお願いしました。
――なるほど。健康管理を促進するというのは画期的です。操作にはBluetooth無線技術を活用しているそうですが、アプリでは実際どんなことができるのでしょうか?
トイレ本体とスマートフォンを同期することで、ナビゲーションや個人設定が行えます。通常のリモコンと異なり、トイレへの入退出に合わせて画面が変わります。使うスイッチだけが表示されたり、今まで使う度に調整していた洗浄の強さなどが、あらかじめ個人設定できるようになるのです。
――このアプリなら、家族でトイレを共有する場合でも、トイレに入る度に設定を変える必要がなくなりそうですね
また、サティスに記憶している使用時間や回数の情報をスマートフォンが取り出し、算出することで、水道代や電気代の目安を確認できます。更に取扱説明書や手入れ方法なども閲覧できます。その他にも、女医のおおたわ史絵先生監修による『トイレ日記』を搭載。日々の排便状況をその場で記録して、楽しく健康管理ができます。
最後に、監修のおおたわ先生にコメントをいただいたのでご紹介したい。
「20年余り消化器を中心に診察してきた経験から学んだことは、便は体の変化や心の不調をいち早く教えてくれる存在だということ。皆さんがアプリとの出会いをきっかけに排便に興味を持ち、健康管理に役立てたらとてもうれしいです」
もしかしたら近い未来、一度も手を使わずトイレで用を足せる日がやってくるのかも!?