連載
続・鴇田崇の映画でいっぱいいっぱい!

第7回 『ジョン・ウィック』キアヌ・リーヴス インタビュー!

映画『ジョン・ウィック』は、大ヒット上映中!

連載! 「続・鴇田崇の映画でいっぱいいっぱい!」7回目は、現在大ヒット公開中の映画『ジョン・ウィック』主演のキアヌ・リーヴスへ来日インタビュー! マフィアにすべてを奪われ、キアヌ演じる元殺し屋ジョン・ウィックが愛する犬を失った刹那、ハンパねえキレかたで壮絶な復讐劇を繰り広げ、あたり一面に死体が転がっていくというノンストップ・"キリング"アクションだ。最近、オフショットが原因でぼっち王とかぼっち飯とか言われがちなキアヌだが、『ジョン・ウィック』で完全復活! 最新作に込めた想いを聞いた。


──とにかくアクションがハードですね! "ガンフー"というカンフーと銃をドッキングしたキーワードでも表現されていますが、一番ハードだった撮影は、どのパートですか?
 
どのアクションも比較的楽しかったけれど、大変だったパートはフィナーレのシーンだね。格闘する場面があったと思うけれど、あれは冬のニューヨークで、機械で雨を降らしながら撮影していた。しかも、3日間か4日間もね(笑)。けっこう大変だったよ。アクションは、いろいろな流派のアクションを採用していて、たとえば柔術とか柔道とかね。そこはこだわりだよ。

──なるほど。たとえば、参考にしたほかの映画作品はありますか?
 
今回監督は、そうとうなこだわりを持って演出していたよ。これまでに、さまざまなアクション映画の系譜があったと思うけれど、『ジョン・ウィック』は、そのすべてを融合、統合、踏襲したと言っていい。こだわったポイントを言うと、犠牲を伴ったリアルなアクションということ。ウソではなく、殴れば血が出る、そういうようなアクションを作り上げたよ。それと過度な編集はせず、カメラを置いておいて俳優にアクションを任せる。比較的長めのテイクも、こだわったポイントだ。

──ご自身で提案は? 近年では、監督業も経験されていますよね。
 
そうだね。監督と話していて至った結論は、とにかく彼、ジョン・ウィックに根差したアクションを目指さなくちゃいけないということで、それが最大のポイントだった。彼は柔術や柔道をはじめ、いろいろな技を身に付けている男だから、臨機応変にさまざまな技をしかけてくる奴なんだ。だから、掴めば身を投げ、ぶつかれば反撃してくる。その場その場で柔軟であってほしいと、そういう風に進めたよ。

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金屏風が似合う。

──また、ジョン・ウィックが歩けば道に死体が残る、そういう容赦ない冷徹な側面がありましたが、感情が表に出ないキャラクターは演じやすかったですか?
 
この物語は二面性を持った男の物語で、普通のジョン、すなわち妻に先立たれて悲しみに暮れるジョンがいて、冷徹なヒットマンのジョン・ウィックもいる。僕はどっちかというと彼の本質は前者だと思うが、前者のジョンはとても愛情深い人でもある。ただ、僕自身は全然違うよ(笑)。彼は寡黙だが、水面下では悲しみや怒りなどをいろいろと感じている男だけれど、でも似たところはあるかな。

──それはどこ???
 
意思の強さ、集中力かな。後は・・・いいハートかな(笑)。

──そうなんです、この映画は、男の美学も印象的だと思いましたが、キアヌさんご自身の男の美学とは???
 
ないかな(笑)。自分でも不思議だと思うけれどね。皆、それぞれだからね。でも、これといった哲学はないかな。

──今回はありがとうございました! 最後に日本のファンに、メッセージをお願いします!
 
この映画はエンターテインメントなので、楽しみながら観られる作品だよ。ストーリーもとてもいいし、なによりもアクションがオリジナリティーにあふれていて新鮮でもある。カッコいいし、いい映画だと思うよ(笑)。

(Photo by Kasahara Shuichi)

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映画『ジョン・ウィック』より

<STORY>
裏社会に語り継がれる一騎当千・伝説の殺し屋ジョン・ウィック(キアヌ・リーヴス)。愛を知り、表の世界へと足を洗い、平穏な日々を送っていた彼は、ある日、不運にも彼の愛するものすべてをマフィアに奪われてしまう。怒りに震え心の奥底に封じ込めた"殺し屋の魂"を解き放つジョン・ウィック。いま見惚れるほど華麗で壮絶な復讐劇の幕が上がる!

映画『ジョン・ウィック』は、大ヒット上映中!
配給:ポニーキャニオン R15+
Motion Picture Artwork © 2015 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. © David Lee.

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鴇田崇(ときた・たかし)

1974年生。国内最大級のアクセスを誇る総合映画情報サイト「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在はフリー。年間延べ250人ほどの来日ゲスト、俳優、監督への取材を行い、雑談のような語り口で相手のホンネを引き出すスタイルは、一部の関係者に定評がある。史上もっともアガッたインタビューは、あのM・ナイト・シャマラン監督に「キミの体からは気が出ている!」とホメられたこと。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。

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