焼鳥屋なのに牛あり鍋あり魚もウマいってどげな店かいな?【牛作】

こんちは。

福岡の魅力をお届けするために、日々、町を暗躍(ふらっと徘徊)する地元情報操作員、“地元にメロメロセブン”こと、メシ通レポーターのマツーです。

そんなわけで早速、「エッヘン!」と鼻高々に福岡自慢。

福岡県は全国有数の店舗数を誇る焼鳥王国

久留米市には及ばないにしろ、福岡市にも町のそこかしこに名店が暖簾を掲げています。

この町の焼鳥屋といえば、サラリーマンのオアシスというだけでなく、ファミリーで夕食を楽しむ場としても活用されていて、焼鳥といいつつも、豚バラや巻物、海鮮類など鶏肉以外のメニューも提供するというのが特徴なんです。なんなら、店一番の評判が豚バラという店も多いんじゃないかと思います。

 

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そんな福岡にあって、ここ「牛作」は、ちょいとまた特徴的。

その名の通りうまい和牛を喰わせてくれるうえに、鮮魚を使った本格的な料理まで提供してくれる店なんです。

 

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それじゃあ居酒屋なんじゃ!? と思われるかもしれませんが、NONO、この店が焼鳥屋として愛され続ける理由は、串モノのウマさにあり、でございます。

つまり、ネタの良さはもとより、焼鳥屋の真髄である“焼き”に技があるがゆえに、串物メニューがその他のメニューに存在感を奪われることなく、まず第一に「焼鳥がウマい店」、そして「極上の和牛串が名物」、さらにさらに「海鮮メニューも食べたいなんてわがままにも応えてくれる」という順番で、高い評判を得ているわけです。

 

ということで、いざ潜入調査!

 

店があるのは、小笹(おざさ)という閑静な住宅街。

通りの角に、THE焼鳥屋たる風貌の店が建っています。

この町に電車の駅はなく、訪れるならばバスかタクシーで。バス停「小笹」で下車するとすぐに交番を見つけることができると思うので、その隣がお店です。

 

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ほら、看板を見てやって。

「うまい和牛肉を喰わせる店」と堂々と謳っています。

大将の田中憲滋さんは、肉の卸しをする店が経営する焼鳥屋で修業をしたとあり、肉の目利きは一流。ゆえに和牛をウリに、店をはじめたというわけです。

 

実はこの店、私も子どもの頃から通っていて、今も昔もこの辺りでは知らない人はいないほどの有名店。地元のスター焼鳥屋なんです。創業以来25年、ホークスの選手や地元の有名人も足しげく通っているそうです。

 

「ちわ〜ッス」と扉を開けると、まず目に飛び込むのはネタケース。

「これでもか!」と大ぶりにカットされた肉や野菜は、二段ものスペースを使って収納。のっけから気前の良さと、品数の豊富さがうかがえます。

見よ! この大ぶりな牛サガリ。そしてびっくら仰天の助サイズのシイタケに、はみ出し注意報発令中のオクラ巻き。

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ちなみにメニューは串物だけで驚きの50種類超え!

定番の「とり身(150円)」「とり皮(130円)」「とりレバー 朝ビキ(150円)」をはじめ、

「アスパラ巻き(220円)」「チーズ巻き(220円)」「レンコン巻き(220円)」などの巻物や、

「シイタケ(250円)」「深ネギ(150円)」「ニンニク(200円)」といった野菜物、

そして「エビ(小250円〜)」「貝柱(500円)」「子持ちシシャモ(大160円)」などの海鮮串が並びます。

そしてメニューに赤字で書かれているのが店のオススメ。きなこ豚を使った「豚バラ(160円)」や「地鶏皮(170円)」はもとより、「自家製ミソバラ(180円)」「のど軟骨(200円)」や「たん軟骨(160円)」などは、手間と時間をかけているだけに自慢の一本として特にオススメだそうです。

 

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そして出ました「和牛サガリ(680円)」。

店を訪れる人が必ずや口にしたであろう串の王様は、100gのボリュームで登場! そのキングを支えるのが、「牛たん串(500円)」「牛アキレス(250円)」「牛すじ(300円)」、そしトロける味わいの新星「赤せんまい」を加えた牛肉四天王。しかも、佐賀牛、宮崎牛、鹿児島黒毛和牛といったブランド和牛を使用しており、このおいしさはまさに、「串物の贅沢、ここに極まる!!!」という感じ。

嗚呼、天にも昇れそうなこの喜び♪ 篤とご堪能あれ。

 

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さて、先述したように、このお店の評判の理由は豊富なメニューのみにあらず。ネタの良さもさることながら、絶妙な焼き加減にあり!!なんでございます。

ということで、メロメロセブンの本領発揮ってことで、焼き場の潜入スパイに成功しました。で、やっちゃいました隠し撮り!!(嘘です……本当は許可を得てます)。

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ご覧いただくのは、一見何の変哲も無い炭焼台。と思いきや、焼鳥を置く部分にやや傾斜があります。そして炭のくべ方にも特徴が。手前は炭を整列して並べてあるのに、奥は一列分だけ炭が敷かれていません。

と、ここに“焼き技の妙”が隠されているというのです。

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ろうそくの炎の温度は先端が最も高い、という原理と同じで、炭を敷いた場合も串の先端にくる部分が最も熱が高くなるそうです。

それでは焼きムラが出てしまい、先っちょはコゲて中はレアなんてことにもなってしまいますよね。

で、熱が一番高くなる部分の炭を抜いたらば、これが見事にまんべんなく肉に火を通す結果に繋がったそうなんです。

そして、焦げやすいタレ焼きは遠火にするために炭から離し、塩焼きは近い火で一気に旨味を閉じこめるために炭に近づけたい。

であれば、焼き台に傾斜をつけて火加減を調整すればいいというわけで、この台を特注したそうです。

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「このやり方は恐らくウチだけ」と大将。

でもおいしさの理由をバラしちゃってもいいんですか? の問いに「ウマかもんが広がる分には、喜びしかなかばい」と、なんて懐の広いお答え。

品揃えにも自信があるからこそ、なのかもしれませんね。

 

さて、話は変わって、一品料理についても少し。

常連さんがいの一番に注文するのが「牛作特選ハーフ盛」(2,500円)だそうで、以前は和牛の刺身を提供していたものの、牛肉の生食規制の影響で……残念しょんぼり、な〜んてわけないじゃん! だって代わりに入っているのは、馬刺と馬レバーなんだもん。

と、牛に負けず劣らず、濃厚な旨味に舌が支配されちゃいます。なもんで酒が進む進む!!

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串を一通り堪能した後は、「もつ鍋(一人前900円)」をぜひ。メインは、たまらないほどプリップリの和牛の小腸で、その旨味が醤油ベースのあっさりスープに溶け出しているので、ズズッと汁をすすりながらその旨味をまるごと口の中に放り込みたい。

野菜にも味が沁みていて、こりゃ一旦焼酎にいったものの、ビールカムバックもありかな? となりそうです。(もつ鍋は通販もあるので、ホームページをチェケラッチョしてね〜)

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とまぁ、和牛の流れでもつ鍋が評判なのは理解できるけど、予約をすればアラ鍋にフグちり、スッポン鍋etc….…まで用意できるというから、おどろきなんです。

しかもフグに関しては、季節限定ではあるけどコース料理まで可能とか。

そういえば、今さらだけど、焼鳥屋なのに生簀があるし……焼き場の上の黒板には魚介類のメニューが書いてある。

この日は本カワハギにサザエに渡り蟹まで。

刺身でもよし焼いてもよし、遠慮なくわがままを伝えてくださいませ〜。

で、とりあえずあっしは「ゴマ鯖」で一杯。くふ〜っ、たまりまへん。

 

お店情報

牛作(ぎゅうさく)

住所:福岡福岡市中央区荒小笹1-4-23
電話:092-526-1566
営業:17:30~23:30OS
定休日:日曜日

 

書いた人:マツータケシ

マツータケシ

福岡在住。某出版社を経て、フリーのカメラマン&ライターとして活動中。好きな言葉は「一日三度のメシ」。福岡の安くてうまい穴場を発掘することにはまっている。

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