みなさん、「お茶料理」と聞いて思い浮かぶのってどんなものですか? ほとんどの方は「お茶漬け」と「抹茶アイス」の2つのみですよね?(極論)
ところが我が国日本には、300年もの歴史を持つ、多彩で奥深いお茶料理という文化があるらしいのです。今回はそんなお茶料理に徹底的にこだわった専門店「GREEN TEA RESTAURANT 1899 OCHANOMIZU」で、絶品お茶料理の数々を堪能してきたいと思います! (一文で何回お茶って言ってるんだ……)
まずはウェルカム抹茶がお出迎え
お店の場所は東京・御茶ノ水。これ以上ふさわしい場所はないですよね。もともとは100年以上の歴史を持つ旅館であり、現在もホテルとして営業されている「龍名館」の1階にあり、開放的なテラス席と、
このような、
シックかつモダン、何をどう間違ったって上質な時間が過ごせるであろう空間からなっています。この時点でデートに最適!
昼間はカフェとして、丁寧に急須で入れられた日本茶を楽しむことができ、夜は、抹茶料理専門のレストランとなります。そのハイクラスな雰囲気に一瞬圧倒されてひるんでしまうかもしれませんが、リーズナブルな一品料理なども豊富で、軽くつまむも良し、じっくりコースで堪能するも良し、幅広い使い方ができるお店でもあるんです。
時間はディナータイム。席に着くとまず出てきたのは、
ウェルカム緑茶。
水出しの冷たい緑茶で、爽やかな香りにまず食欲が刺激されます。
テーブル上には、
お香代わりにお茶。
これがまたほんのりと良い香りで、気分も高まるんですよね。こんど家でも真似してみよっと。
箸置きだってお茶。
徹底してます。
ポテサラ、ビール、ソースに、梅酒まで全部抹茶!
それでは、今日はアラカルトで料理とお酒を楽しんでいきましょう。
▲茶ぽてとサラダ(680円)
こちらの名物のひとつ。世に多種多様なポテトサラダはあれど、こんなに美しい緑色に輝く一皿は他にないんじゃないでしょうか? 気軽に「ポテサラ」と呼ぶのがはばかられるような気品ある姿です。
ジャガイモの自然な旨味を活かした味わいで、そこにほんのりと抹茶が香り、若干の苦味がアクセントとなって、これは大人のポテトサラダですね。添えられたソースもその品位を傷つけない絶妙さで、場末の大衆酒場で中濃ソースなんかをぶっかけて食べるポテサラとは別の食べ物! いや、どっちも好きなんですが。
そして今日、これを飲みに来たと言っても過言ではないのが、
▲1899抹茶ビール(720円)
ビールにも抹茶! かなり濃厚な抹茶色ですね。
▲泡にも抹茶感
これ、飲んだことのあるって方から「あれはうまいっすよ」なんて聞いていたので、ものすごく楽しみにしてたんですよね。それではと一口。
おぉ! ビールの苦味を抹茶のほろ苦さが綺麗に包み込んで、すごく良くマッチしてます。どちらかの味が勝っているということもなく、抹茶の良い香り、ビールの爽快さ、半々に良さを主張し、しかも相乗効果で高め合っている!
これはうまいな。一杯目のビールって普段、グイグイっと一気にいっちゃいがちですが、一口一口大切に味わいたい感じですね。
▲たまらず黒ビールバージョンも
ビール自体はさらにビターなはずなのに、抹茶が全然負けずしっかりと香ります! 抹茶すごい!
そして、
▲和牛サーロインと旬野菜の玉葱釜焼き(980円)
取材ということで少し気が大きくなり「こんな贅沢しちゃっていいの!?」って品に手を出してしまいました。他のレストランで頼んでこれが出てきたらギョッとするような色味のソースですが、そう、メニュー名になくたってちゃんと抹茶が使われているんです。
それでは!
香り高くとろけるような和牛のサーロイン。合わせるのは白味噌と抹茶を合わせたオリジナルソース。白味噌のコクと抹茶の香りのバランスが絶妙で、肉の旨味も濃厚なのでしっかりと感じられ、さらに玉ネギの甘い香りもほんのりと加わり、何が言いたいかっていうと、天国の味!
もちろん肉とソースの旨味を吸った玉ネギも残さずに!
▲紀州緑茶梅酒(550円)
抹茶ビール以外にもお茶系のお酒はあり(もちろん普通のお酒やソフトドリンクもあります)、爽やかに緑茶が香るこの梅酒もたまりません。お茶成分がプラスされると、何でもワンクラス上のもののように感じてしまいますね。
抹茶風呂で高級豚バラをしゃぶしゃぶ!
さて、そろそろ本日のメイン料理にいきましょう。こちら!
▲抹茶鍋しゃぶしゃぶ(3,800円)
肉、野菜、締めのご飯までが付いた値段です。鍋に張られたスープは宇治抹茶と鶏ガラを合わせたオリジナル。届いた時点ですでに良い香りが漂います。
ここで素材をしゃぶしゃぶし、濃厚な抹茶にドボンと付けて……というわけではなく、
特製ほうじ味噌ダレとポン酢、
で頂きます。
▲薬味
肉!
自然の中で育んだ最上級品という「上州せせらぎポーク」のバラ肉。見るからに間違いないです。これを
しゃぶ
しゃぶ
はいオッケー!
全体がうっすらと白くなれば食べごろ。ポン酢で頂くと肉自体の旨味、甘みがくっきりと引き立ちますし、ほうじ味噌(ほうじ茶と味噌を合わせたタレ)なら濃厚で香り高いマリアージュが楽しめます!
▲野菜盛り
あとはもう、時にポン酢で、時にほうじ味噌で、野菜を食べたり、肉に戻ったり、肉で野菜を包んだり、欲望のままに楽しめばいいんじゃないでしょうか!
その間、常に漂っている抹茶の香りも心地良いです。
▲健康にもいいと思う!
かくして抹茶ワールドは最後まで続く
ただし、お楽しみはまだまだ! そう、この
そのままでも十分美味しそうな茶飯、
に、
食材の旨味がたっぷり加わった宇治抹茶鶏ガラスープをかけ、
▲至高のお茶漬け
が完成! 上品でいて、かつ複雑。全てはこの一杯を味わうための伏線だったのか? と錯覚するくらいの、絶品茶漬けでございました。
締めは珍しいところで、
▲芋焼酎「一刻者」の江戸番茶割り(650円)
なんかをちびちびやりつつ、まったりと濃厚な、
▲1899 手作りプリン 抹茶蜜がけ(830円)
なんかで余韻に浸ればもう完璧! 奥深きお茶料理の数々、堪能させていただきました。ごちそうさまでした。
最後に、株式会社龍名館の濱田さんに少しお話を伺うことができたんですが、「ホテル龍名館」の大きなテーマは、多くの人に「和」の魅力を伝えること。その一端として、和食、中でもお茶料理専門のレストランとして作られたのがこちらのお店で「これからもさらにお茶料理の世界を掘り下げ、進化していけるよう努力します」とのことでした。
「GREEN TEA RESTAURANT 1899 OCHANOMIZU」、海外から来た友人なんかを連れてきてあげたら大喜びするでしょうし、冒頭にも言いましたがデートにもぴったり、そして何より、お茶好きなら誰でも満足すること間違いなし! の素敵なお店でした。興味がある方はぜひ一度足を運んでみては?
お店情報
GREEN TEA RESTAURANT 1899 OCHANOMIZU
住所:東京都千代田区神田駿河台3‐4 ホテル龍名館お茶の水1F
電話番号:03-3251-1150
営業時間:ランチ11:00~15:00(LO14:30)、カフェ 14:00~16:30(LO16:00)、ディナー 17:30~23:00(LO22:00)※ディナーのみ予約可
定休日:無休
ウェブサイト:https://www.hotpepper.jp/strJ001099591/