国際情報

ソウル日本人学校 2010年の移転先は元ゴミ集積所だった

都立市ヶ谷商業高校の跡地

 新宿区が保育所整備地域としての借用を申し入れていた地域でありながら、東京都は新宿区矢来町にある都立市ヶ谷商業高校の跡地6100平方メートルを東京韓国学校の増設用地として貸し出す方針を発表し、批判が殺到している。その理由を舛添要一都知事は、「2010年にソウルで日本人学校が移転した際、ソウル市が全面的に協力してくれたことの恩返し」だと強調する。

 だが、日本人学校の父兄関係者はこういう。

「日本人学校の移転は、2004年に日本人学校の前で幼稚園児2人が、待ち伏せしていた韓国人の男に襲われた事件も影響している。子供たちの安全を求める保護者からの要望が高まったんです。ソウル市に便宜を図ってもらったのは事実ですが、移転先の上岩洞はもともとゴミ集積場のあった場所を再開発したエリアで、当時は発展させるため大企業などに安く土地を払い下げていた。日本人学校の移転もその一環だったという見方もある」

 舛添氏は、本当にそうした事情を把握した上で、今回の計画を進めているのだろうか。この問題を追及する柳ヶ瀬裕文・都議会議員(無所属)はいう。

「韓国人学校に貸し出すこと自体に反対しているわけではなく、保育所が欲しいという都民の要望があるにもかかわらず、韓国の大統領に頼まれたという理由だけで韓国人学校を優先するのはおかしいということ。都知事の自己満足な“都市外交”によって、都の貴重な土地が他国の利益のために利用されている。このことについてどこまで都庁内部で検証がなされたのか」

 2014年7月23日~25日、2泊3日の訪韓で舛添氏含む11人は出張費用として総額1007万円を使っている。そして、その訪韓時に朴槿恵大統領と会談し、直接、韓国学校への支援を頼まれたことが今回の土地斡旋につながっている。再検証の際には、ソウルでの接待でどんな旨いものを食べたのかについても明らかにすべきだ。

●取材協力/河鐘基、藤原修平

※週刊ポスト2016年4月15日号

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン