知事と防衛相が県庁で会談 辺野古移設で平行線


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中谷元・防衛相(左)と会談する翁長雄志知事=27日午後2時すぎ、県庁

 来県中の中谷元・防衛相は27日午後2時、県庁で翁長雄志知事と会談した。米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設について中谷氏は、辺野古代執行訴訟の和解に基づき設置する作業部会の場で「政府の考え方を伝え、誠意を持って協議していきたい」と述べた。翁長知事は「新辺野古基地には反対だという県民の民意が圧倒的だということを理解いただく中から物事の打開を考えてほしい」と移設計画の見直しを求め、議論は平行線だった。

 冒頭、中谷氏は那覇市で起きた米兵による女性暴行事件について「私も遺憾だ。先日もニコルソン四軍調整官に再発防止を求めた」と述べた。翁長知事は「事件は女性への人権蹂躙(じゅうりん)だ。70年間抗議を重ねてきたが、なかなか解決しない」と述べ、実効性のある再発防止策を求めた。
 また中谷氏は米軍北部訓練場の過半を返還するには、東村高江のヘリパッド建設が条件だと強調し、抗議の市民が工事阻止のために基地ゲート前に止めている車両の撤去について、知事の協力を求めた。
 翁長知事は違法駐車には文書で指導していく考えを示した。一方、同ヘリパッドで県が配備撤回を求めている米海兵隊のMV22オスプレイが運用されることを指摘し、建設計画自体に協力する考えは示さなかった。【琉球新報電子版】