街・地域   |   買う
子育てしやすい街・住まい選び
85
森島 薫子
2014年8月9日 (土)

業界初?流山市のマンションが導入した「子育て支援プログラム」を体験

業界初?流山市のマンションが導入した「子育て支援プログラム」を体験(画像提供:放課後NPOアフタースクール)
画像提供:放課後NPOアフタースクール

マンションに住む乳幼児~小学生向けに多彩な「体験型プログラム」を実施する、新しい形の子育て支援サービスを導入した物件が千葉県流山市に登場した。マンションでは初の試みというが、一体どんなサービスなのか? プレイベントを取材してきた。

マンションで「子育て支援プログラム」を導入

今回訪れたのは、つくばエクスプレスで秋葉原駅から25分の千葉県流山市にある「パークホームズ流山おおたかの森 ザ レジデンス(三井不動産レジデンシャル)」。つくばエクスプレス流山おおたかの森駅から徒歩3分、総戸数257戸の新築マンション(2015年12月入居開始予定)だ。当マンションは、共用施設にキッズルームを設け、認可保育園を敷地内に開設予定など、子育てファミリー向けの施設を充実させている点が特徴のひとつ。

流山市は、数年前から、子育てファミリーが暮らしやすい街づくりを積極的に進めている。なかでも力を入れているのが、駅前に設置された「送迎保育ステーション」と市内の全認可保育園を送迎バスで結ぶ『駅前送迎保育ステーション』など、共働きファミリー向けの子育てサポート制度。こういった取り組みの成果もあり、市内に住む20~30歳代の人口はこの数年でグンと増えている。そんな流山市に登場したのが、マンションのソフトサービスとして「子育て支援プログラム」の導入が予定されている今回の物件だ。

「子育て支援プログラム」は、パーティールームなどの共用施設や地域のスポットを利用して、「理科実験」「フィールドワーク」など乳幼児~小学生向けの多彩なプログラムを実施するというもの。分譲マンションでは初めての試みだ。

業界初?流山市のマンションが導入した「子育て支援サービス」を体験

【画像1】理科実験/企業の研究所勤務の方や理科教育に携わった方などを「市民先生」として招き、楽しく実験する「学び」のプログラム(画像提供:放課後NPOアフタースクール)

業界初?流山市のマンションが導入した「子育て支援サービス」を体験

【画像2】フィールドワーク/流山市の成り立ちを学ぶため、自然豊かな公園で遊んだり、地元で長く続いている製造工場を見学するイベントを実施(画像提供:放課後NPOアフタースクール)

マンション×NPO法人の試みを流山市がサポート

これらのプログラムを手掛ける『流山コソダツ計画』は、マンションや街づくりに定評がある“三井不動産レジデンシャル”、子ども向けプログラムの実施経験が豊富な“放課後NPOアフタースクール“、「駅前送迎保育ステーション」の設置など子育て支援に積極的に取り組む“流山市”の三者による取り組み。

業界初?流山市のマンションが導入した「子育て支援サービス」を体験

【画像3】デベロッパー、NPO、行政とそれぞれの強みを活かした多彩なプログラムの実現を期待したい(画像提供:NPOアフタースクール)

“コソダツ”とは、““子”どもが自ら“育つ”という意味。プログラムへの参加を通し、学びの楽しさを知り、周りの人と協力、交流する体験を積むことで、子どもが自ら育っていってほしい。それによって子育てをサポートしたい。そんな願いがこめられた名称だという。

『流山コソダツ計画』によるプログラムは、当初はマンション居住者向けのソフトサービスとして提供していくが、将来的にはその枠を超えて地域の子どもたちも参加できる形にすることを目指している。

『流山コソダツ計画』のプレイベントを体験

『流山コソダツ計画』では、プレイベントとして、既に2つのプログラムを実施している。ひとつは、今年2月に開催された「だがしやチャレンジ」。うまい棒でおなじみの「やおきん」とコラボレーションし、子どもたちがPOPづくり・仕入れ・売り上げ計算などの体験を通し経済の仕組みを学んだ。駄菓子屋の会場は「流山おおたかの森駅 自由通路」。流山市の協力により実現した。

業界初?流山市のマンションが導入した「子育て支援サービス」を体験

【画像4】『流山コソダツ計画』のプレイベント、「だがしやチャレンジ」の様子(画像提供:流山コソダツ計画)

もうひとつは、筆者も体験参加させてもらった「流山とオランダのつながりを知る半日体験ツアー」。流山市の北端に位置する利根運河をバスで訪れ、散策やゲームをしながら利根運河の歴史を学ぶというもの。水と緑が美しい利根運河で憩い、その歴史を知る行程は、大人も十分楽しめた。

一方、子どもたちは歴史の話以上に、散策やゲーム、おやつタイムのほうが楽しかったよう。参加した子たちは初対面だったが、帰り際には、みんなが自然に仲良くなっていた。「子どもの自ら育つ力」とは、こんなところにもあるのかもしれない。親としても貴重な体験だった。

業界初?流山市のマンションが導入した「子育て支援サービス」を体験

【画像5】利根川と江戸川を結ぶ利根運河が、明治時代にオランダ人技術者の設計によりつくられたことなど、地域の歴史に触れる新鮮な驚き、楽しさを味わえた(写真撮影:森島薫子)

筆者はこれまで自身の子どもを育てることに力を注いで頑張ってきたつもりだが、親からのアプローチに対し、実は子どもがストレスを感じているのでは、と悩むこともある。こうしたイベントを通じて、子ども自身の学びはもちろん、ファミリーでの交流、親の子育てに関する悩みも解決できるようであれば、親も子も楽に、そして楽しく成長できるのではないか。

マンションでは人付き合いが希薄なイメージもあるが、こういったイベントが交流のきっかけになったり、ひいては地域住民ともつながりができると、より子育てしやすい街としての魅力がアップするのではないか。今後のプログラム展開に期待したい。

●パークホームズ流山おおたかの森 ザ レジデンス
HP:http://www.31sumai.com/mfr/G1204/
●流山市
HP:http://www.nagareyama-city.jp/
●放課後NPOアフタースクール
HP:http://www.npoafterschool.org/
https://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2015/05/552af65b6d803552dd82c6cf9875f637.jpg
子育てしやすい街・住まい選び 予算や間取り、エリアに加えて子どものことも考えた住まい選びは悩みも多い。子育て世帯が暮らしやすい街・住まいについて考えましょう。
12
前の記事 よさこい祭りが原宿で!原宿表参道元氣祭・スーパーよさこいとは?
次の記事 ものづくりで被災地の産業をつむぐ、陸前高田発「KUMIKI プロジェクト…
SUUMOで住まいを探してみよう