カーシェアリングというと、日常の近距離、短時間の「ちょい乗り」で使われているイメージがあるが、一方で「カーシェアならでは!」という特性を活かして、カーシェアライフを満喫する人も。はたしてどんな活用法があるのか。上級者に乗りこなしテクニックを教えてもらおう。
カーシェアリングの乗りこなしテクを教えてくれるのは、カーシェアリング大手「タイムズカープラス」の会員のみなさん。まず、乗りこなしテクの初級は、「大型商業施設」での活用シーン。IKEAやニトリ、コストコ、業務スーパーなどの家具や大型商品、大量のまとめ買いには、やっぱり車が欠かせない。とはいえ、行き当たりばったりで、突然、週末に行こうと思っていても、すでに予約済みで車が借りられないことも。
そこで、あらかじめ利用する日を決めておいて、定期的に予約してしまうのだ。すると「このステーション、毎月第1土曜日は必ず予約が入る」などとだんだん定着しはじめ、次第に近くのライバルにも分かるようになり、コンスタントに利用できるようになるとか。
実はこの手と似たような方法を、筆者も使っている。さすがに定期的に予約はしていないが、すぐに利用する予定がなくとも、こまめに予約ページにアクセスし近隣のステーションの状況をチェック、利用動向を予測しているのだ。おおよその傾向が見えてくると、「利用したいタイミングが似ている人」がいることが見えてくるので、それを踏まえて予定を組むようにしている。大型店でまとめ買いをしている家族に、特にオススメの方法だ。
乗りこなしテクの中級は、旅先での活用法。旅行先で車を使いたいけれど、レンタカーを借りるのは案外手間がかかるもの。貸出や返却にも時間はかかるし、1日中利用するならともかく、3時間程度さっと使いたい、というときも多いはず。こういうときにもカーシェアリングを利用するのだ。
カーシェアのステーションが多いのは、主要都市の駅まわりだが、ステーション近くに宿泊先をとっておけば、タイムロスが少なく、とても効率がいい。予約も直前までできるので、あいた時間を使い、さっと市内観光に出かけられる。カーシェアユーザーにもこうした使いこなしテクが知られているのか、「電車で移動して、出先で借りている」という人も多いよう。ちなみに、タイムズカープラスの保有台数は、新幹線が停車する主要駅だと、名古屋駅には9箇所19台、新大阪駅には15箇所34台、博多駅には14箇所34台など台数も多い。(2014年1月末日現在。タイムズ24調べ)
ちなみに、筆者の知人にサッカー観戦が趣味で、毎月のように旅行に出ている人がいるが、ゆく先々でカーシェアを利用している。プロサッカークラブがある規模の都市だと、ステーションがあることが多く、相性がよいというのもあるようだ。
ただ、注意したいのは、移動距離と利用時間だ。カーシェアリングでは長距離利用になるとプラス費用が加算されることもあるし、1日以上利用するならレンタカーのほうが安上がりなことも。利用距離や時間が定まっているのであればレンタカーと比較して、どちらがトクかをシミュレートするのが賢い方法といえそうだ。
カーシェア乗りこなしテクの上級編は、車を保有しないカーシェアの魅力を逆手にとった、車の使いわけ。
ステーションに用意されているのは、基本的にはヴィッツやフィット、ノートなどのコンパクトカーだが、最近では置いてある車種も増えていて、大型ステーションにはプリウスやBMW1シリーズ、ミニ・クロスオーバー、ゴルフが置いてあるところも。普段、なかなか乗る機会のない車種に乗れるのは、カーシェアリングならではの良さだといえる。車好きほど、こうした多様な車種に乗れることに満足している人が多い。
ちなみに、すでに車を1台所有していても、カーシェアリングを利用している人のなかには、「マイカーを趣味性の高い車種にすることができる」と答える人もいれば、「自宅の近くのステーションにミニバンがある地域であれば、コンパクトカーもしくは軽自動車を保有しながら使い分けたい」など、自分たちのライフスタイルや好みを活かすように活用している上級者もいる。今は「家族のためにミニバン」という人も多いが、こうした使い方が普及すれば、車選びの選択肢も増えていきそうだ。
加えて、カーシェアリングでさまざまな車を運転すると、「買うならこのサイズ」「このメーカーの車とは相性がイイ」などもよく分かる。ディーラーの営業さんが乗車しているわけではないので、走り慣れた道や自分たちの感覚でゆったりと走れるのもいいな、というのが筆者の率直な感想だ。こうしたカーシェアリングの乗りこなしテクを参考に、さまざまなシーンでカーシェアを使いこなしてみてはいかがだろうか。